ボッシュ、SDVシフトの戦略発表…オールジャパンのモビリティDX戦略にどう向き合うのか

ボッシュ株式会社 代表取締役社長 クラウス・メーダー氏
ボッシュ株式会社 代表取締役社長 クラウス・メーダー氏全 8 枚

横浜市都筑区への本社移転を翌週に控えるボッシュが、渋谷の本社ビルにて最後の記者会見を5月21日に行った。内容は2023年の業績振り返りと2024年に向けた戦略概要の発表だ。


◆23年は好業績、24年は微増

2023年はコロナ禍明けの反動、サプライチェーンの正常化などで、日本国内に限っても売り上げが4200億円、前年比+23%という好成績を示した。好業績の直接の要因は、23年に本格稼働した栃木工場のi-Booster(電動式ブレーキ)とむさし工場での電動パワーステアリング製品の生産だとする(ボッシュ 代表取締役社長 クラウス・メーダー氏)。

セクターごとの売り上げ構成

だが、これはアフターコロナという特殊事情によるもので、ロックダウン明けの反動は24年以降に続くものではない。世界に目を向ければ、エネルギー危機、北米のインフレ、日本においては円安と楽観視できる要素ばかりではない。そのためメーダー氏は24年の業績はおそらく微増になるとの見通しを示した。

その中、ボッシュが注力するのは、同社のビークルモーションマネジメントを軸としたSDV技術の強化だ。おりしも発表の前日5月20日に、経済産業省・国土交通省らが主催する「モビリティDX検討会」が、2030年から35年までにSDVのグローバル販売における日系シェア3割を目指すことを発表した。関連してトヨタ、ホンダ、日産らがSDV開発・製造において部品の共通化についての議論を始めたと共同通信らが報じている。

メーダー氏は、これらの発表を「ちょうどよいタイミング」と述べ、日本のSDVシフトを支援するとした。

◆ボッシュが目指すSDVはハードソフトの分離提供

グローバルに展開するボッシュは、コロナ前からのモビリティ革命およびソフトウェアシフトに対して、グループのうち自動車関連事業をボッシュモビリティという形で組織の再編を23年に行っている。地域別にセクターボードを配置し、電動化・SDVに対して機動的な意思決定を進めるためだ。


《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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