人とくるまのテクノロジー展2024の直前に、既存のサーモスタット事業の売却をまとめ上げたり、欧州で「E-HEALTHチャージ」という駆動バッテリーの状態を診断するディアグノスティック機器を投入するなど、動きを見せるマーレ。しかし今回のブースでは、昨年のジャパンモビリティショーなどでも発表していたeモビリティ関連の各種プロダクトを中心に展示し、それぞれのアイテムの成熟度を強調した。
国産のティア1などに比べて、商用車用途を中心に電動化コンポーネンツは大きく重たいと捉えられがちな欧州サプライヤー。だが例として、マーレのコンパクトなヒーターコアは、国産の軽EVにも採用されているという。実際、欧州ではとくにフルードポンプが動意づいていて、サーマルマネージメント部門にはグローバルなOEMとアジアの新興OEMから、売上高にして15億ユーロ(約2550億円)に達する大型受注が入っているという。ICEの頃から積み上げてきたサーマルマネージメントのノウハウが、電動化が進む中でも生きている証左だ。

またパワートレインが電動化されても、ヒートポンプ、冷却水やエアコンの冷媒、オイルなど、熱交換を促すために循環させるという基本構成は変わらず、むしろ400Vと800Vいずれにも対応すること、各コンポーネンツのロスを減じて熱効率を高めるために、配管や駆動用バッテリーまで含めてロスを削り込む必要があるという。そうした技術的動向を反映した、ほとんどオールインワンといえるサーマルマネージメントモジュールや、駆動用モーターを冷却するためのコンパクトなポンプ内蔵のオイルマネージメントモジュールが、来場者の耳目を集めた。
