サーマルマネージメントで強みを発揮するマーレ、コンパクトモジュール化を強調…人とくるまのテクノロジー展2024

マーレ ブース(人とくるまのテクノロジー展2024 YOKOHAMA)
マーレ ブース(人とくるまのテクノロジー展2024 YOKOHAMA)全 5 枚

人とくるまのテクノロジー展2024の直前に、既存のサーモスタット事業の売却をまとめ上げたり、欧州で「E-HEALTHチャージ」という駆動バッテリーの状態を診断するディアグノスティック機器を投入するなど、動きを見せるマーレ。しかし今回のブースでは、昨年のジャパンモビリティショーなどでも発表していたeモビリティ関連の各種プロダクトを中心に展示し、それぞれのアイテムの成熟度を強調した。

国産のティア1などに比べて、商用車用途を中心に電動化コンポーネンツは大きく重たいと捉えられがちな欧州サプライヤー。だが例として、マーレのコンパクトなヒーターコアは、国産の軽EVにも採用されているという。実際、欧州ではとくにフルードポンプが動意づいていて、サーマルマネージメント部門にはグローバルなOEMとアジアの新興OEMから、売上高にして15億ユーロ(約2550億円)に達する大型受注が入っているという。ICEの頃から積み上げてきたサーマルマネージメントのノウハウが、電動化が進む中でも生きている証左だ。

またパワートレインが電動化されても、ヒートポンプ、冷却水やエアコンの冷媒、オイルなど、熱交換を促すために循環させるという基本構成は変わらず、むしろ400Vと800Vいずれにも対応すること、各コンポーネンツのロスを減じて熱効率を高めるために、配管や駆動用バッテリーまで含めてロスを削り込む必要があるという。そうした技術的動向を反映した、ほとんどオールインワンといえるサーマルマネージメントモジュールや、駆動用モーターを冷却するためのコンパクトなポンプ内蔵のオイルマネージメントモジュールが、来場者の耳目を集めた。


《南陽一浩》

南陽一浩

南陽一浩|モータージャーナリスト 1971年生まれ、静岡県出身。大学卒業後、出版社勤務を経て、フリーランスのライターに。2001年より渡仏し、パリを拠点に自動車・時計・服飾等の分野で日仏の男性誌や専門誌へ寄稿。現在は活動の場を日本に移し、一般誌から自動車専門誌、ウェブサイトなどで活躍している。

+ 続きを読む

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. 「復活まじうれし!」「全色欲しい」新型スズキ『GSX-R1000』発表に、SNSは話題沸騰!
  3. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  4. トヨタ「クラウン」「アルファード」など21車種、64万台超の大規模リコール[新聞ウォッチ]
  5. ホンダ『N-ONE e:』の価格を予想、280万円台からか…実質ガソリンモデル並み?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る