ロールスロイス、軍用車向け10気筒ハイブリッド発表…1495馬力で静音走行も可能

ロールスロイスの軍用車向け10気筒ハイブリッド
ロールスロイスの軍用車向け10気筒ハイブリッド全 2 枚

ロールスロイス(ロールスロイス・モーターカーズとは別会社)は6月17日、フランス・パリで開幕した防衛・安全保障展示会「ユーロサトリ」において、軍用車両向けの新型10気筒エンジンを発表した。

【画像全2枚】

ハイブリッドによって、1495hpを超える出力を発揮する。電動化とハイブリッド化は、戦術車両に新たな能力をもたらす。ロールスロイスの新しいmtuハイブリッドドライブは、高性能ディーゼルエンジンとバッテリー電動ドライブの利点を組み合わせている。このパワートレインは、車両内の設置スペースを最小限に抑え、装備や乗員のためのスペースを最大化する。

静音走行のために、ディーゼルモードで充電された高性能バッテリーが車両の電気・電子システムに電力を供給する。これにより、ディーゼルエンジンの騒音や熱の痕跡を残さず、長時間の運転が可能となる。これにより、敵の偵察から車両を発見されにくくする。また、「アンチアイドリング」モードは、車両の待機中に燃料消費を削減し、車両の航続と燃料補給のための後方支援を最適化する。

マイルドハイブリッド化の利点は、低速走行時の静音運転で示される。パワートレインが発生する騒音は最小限に抑えられ、車両の検出が非常に困難になるという。ロールスロイスは、ハイブリッドシステムと組み合わせた特別に開発されたサイレンサーを使用している。ハイブリッドシステムのモーターは、高速走行時のブースターとしても機能する。

mtuシリーズ199は、260kWから800kWの出力を持ち、多くの軍用陸上防衛プログラムで実績を持つ。新しい10気筒バージョンは、1100kWまでの出力範囲をカバーし、50トンから70トンの車両を駆動することができる。6気筒から10気筒までのバリエーションで同一のコンポーネントを使用することで、軍隊の物流コストを削減する。

モジュール設計原則とコンパクトな寸法により、10気筒エンジンは新車両だけでなく、既存車両の動力化にも使用できる。このエンジンは、パワー密度、コンパクト設計、既存の付加部品の利用可能性において新しい基準を設定する。

10気筒エンジンは、mtuシリーズ199の6気筒および8気筒モデルと多くの製品特性を共有しており、シリーズ199を同クラスの軍用車両向けエンジンのベストセラーにしている。高いパワー密度、小型設計、迅速な応答性、車両要件に応じた構成可能性、広範なパワーテイクオフ(PTO)オプション、長いメンテナンス間隔による低いライフサイクルコストが特徴、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. カローラクロスと立場が逆転、だからこそ生まれた「斬新セダン」のデザイン…ジャパンモビリティショー2025
  2. ライバルはアルファード? メルセデスベンツの最高級ミニバンが日本初公開!…ジャパンモビリティショー2025
  3. 三菱自動車の営業利益81%減、赤字92億円 2025年度上半期決算
  4. 原付スポーツカーを受注生産!日本一周4万6000km走破の実力、ICOMAが提案する「おもちゃ箱」のようなモビリティ…ジャパンモビリティーショー2025
  5. 【トヨタ ランドクルーザーFJ】「ランクルらしさ」と“サイコロ”を融合した小さいランクル、デザインの肝
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る