永久磁石のサプライチェーン構築へ、AclaraとVACが戦略的提携を発表

永久磁石のサプライチェーン構築へ向けてAclaraとVACが戦略的提携を発表
永久磁石のサプライチェーン構築へ向けてAclaraとVACが戦略的提携を発表全 1 枚

Aclara Resources Inc.(以下、Aclara)とVACUUMSCHMELZE GmbH & Co. KG(以下、VAC)は7月12日、ESG(環境・社会・ガバナンス)に準拠した永久磁石のサプライチェーンを構築するための戦略的提携を発表した。

両社は「鉱山から磁石まで」のソリューションを提供することを目指している。AclaraとVACは、EVや風力タービン、その他のクリーン技術に対する需要の増加が、レアアース永久磁石市場に大きな機会をもたらすと考えている。これらの磁石は、軽希土類および重希土類鉱物の大量供給を必要とし、現在その供給はアジアの少数のサプライヤーに集中している。この供給と需要のダイナミクスは、新たなESGに焦点を当てたサプライチェーンの開発にとって有望という。

Aclaraは、ジスプロシウムとテルビウムという希少な重希土類鉱物のサプライヤーとして、独自の地位を保っている。これらの鉱物は永久磁石の製造に不可欠だが、アジア以外では入手が難しい。Aclaraは現在、チリとブラジルで高純度の重希土類炭酸塩を生産するためのイオン粘土プロジェクトを進めており、米国に拠点を置く子会社を通じて加工技術を開発している。この技術により、磁気合金を製造することが可能となるという。

一方、VACはアジア以外で最大のレアアース磁石メーカーであり、40年以上の技術経験を持つ。VACは最近、GMと契約を結び、米国サウスカロライナ州に新しい磁石工場を建設する計画を発表した。

この提携により、AclaraとVACはEVモーターやその他の技術に必要な高性能永久磁石を供給するための信頼性の高い長期的なソリューションを構築することを目指している。

今後のステップとして、VACはAclaraの既存の共同事業プロジェクトを支援し、高性能永久磁石の製品仕様要件を確立する予定。また、両社はコスト構造の最適化を共同で分析し、新規顧客に対して地政学的に独立したESG対応の永久磁石を供給する「ワンストップショップ」ソリューションを提案する計画だ。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  3. トヨタの顧客は1億5000万台…バリューチェーンで財務基盤強化
  4. BMW、カーボン素材を天然繊維複合素材に置き換え、量産車に採用へ
  5. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  5. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
ランキングをもっと見る