インチアップの効果とリスク! 知っておきたいタイヤ&ホイールの選び方~カスタムHOW TO~

インチアップの効果とリスク! 知っておきたいタイヤ&ホイールの選び方~カスタムHOW TO~
インチアップの効果とリスク! 知っておきたいタイヤ&ホイールの選び方~カスタムHOW TO~全 6 枚

見た目にも走りにも大きな影響を及ぼすのがタイヤ&ホイール。ドレスアップの世界でもホイールとそのサイズは重要な要素だし、サーキット走行などのスポーツの世界でも同じだ。

そこで定番として行なわれてきたのがインチアップと呼ばれるカスタム。これはホイールの径を大きなものにすること。ホイールはインチサイズで作られていて、純正で16インチホイールのクルマを17インチホイールにするとか、18インチ、19インチにすることもある。

ホイールが大きくなると見た目にスタイリッシュさが加えられる。ただ、ホイールが大きくなった分タイヤサイズもアジャストが必要。タイヤは扁平率の低い、サイドウォールの低いものにしなければならない。そこでいくつか気をつけたいことがある。

1:タイヤ外径は純正サイズから変えない

インチアップでありがちなのが、ホイールサイズを大きくしてそれに合わせてタイヤサイズも変えるが、このときにタイヤ外径が大きくなってしまうこと。

タイヤ外径が大きくなると迫力も増すのでショーカーなどでは大きなサイズを履くこともあるが、通常はNG。まず、タイヤ外形が大きいとフェンダーに当たりやすくなる。SUVやRVならまだしも、セダンやハッチバックなどではハンドルを切ったときや、段差で沈み込んだときにタイヤとフェンダーやボディが当たることがある。車高調などで車高を下げていたらテキメンに当たるようになってしまう。

また、タイヤ外径が変わると車検もNGになる。スピードメーターに誤差が生まれ、実際の速度とメーターの速度が乖離してしまう。これは車検で検査があるのでNGなのだ。車検的には関係ないかもしれないが、速度が実際と異なるということは、実際に走っている距離も変わるので燃費もおかしなことになってしまう。

そして、さらに気をつけたいのが前後のタイヤサイズから外径を変えないこと。クルマによっては前後でタイヤサイズが異なることがある。そうすると前後のタイヤは回転差があるわけで、その信号をABSや姿勢制御などの電子制御が回転差ありきで計測して計算している。

そこからタイヤサイズを変えて、例えば前後同サイズにしてしまうとABSや電子制御がバグを起こして、おかしな作動をしてしまうことがあるのだ。これは大変危険。前後タイヤサイズが異なるクルマは、その外径を前後ともに崩さないようにインチアップする必要があるのだ。

2:タイヤを低扁平にしすぎない

インチアップをすれば扁平率は下がる。215/45R17サイズからインチアップすると215/40R18が適正サイズになるという具合。この扁平率が下がるとサイドウォールが薄くなりスタイリッシュに見えるが、走行性能的にはデメリットも大きい。

基本的にサイドウォールは分厚いほうが乗り心地は良くなりやすい。細かい振動や段差などの衝撃はサイドウォールがあったほうが吸収できる。あまり分厚いとゆらゆらと動く感じはあるが、それでもいわゆる突き上げのような乗り心地の悪さは感じにくい。

サーキット走行などのスポーツ走行においても、扁平率は35か40くらいだとタイヤが潰れる量が少ないのでシャープなハンドリングになり運転しやすい。しかし、グリップが限界を超えた先はコントロールがシビアになり、滑り出したら早いと言われる。

扁平率が高いと滑ってもじわじわと流れるのでコントロールがしやすい。そういう意味ではスポーツドライビングで運転の練習をするなら、インチアップはあまりしないのがオススメ。タイヤ自体もインチが大きくなると基本的に高価になるので、コストを抑える意味もある。

基本的にホイールが大きくなるとバネ下重量も重くなり、燃費などにも不利な面もある。そういったマイナス面もあるが見た目のメリットやシャープなハンドリングは大きなポイントになる。そういったメリット、デメリットを把握した上でインチアップを行ってもらいたい。

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る