カワサキモータースのモーターサイクルラインナップの中核となり、長い伝統と人気を持つ『W』シリーズの系譜を解説する1冊、『カワサキW メグロ - メイハツ - カワサキへと連なる伝統 特別限定版』が三樹書房から発行された。
最初のWは1966年発売のカワサキ『650W1』だ。カワサキ650W1の誕生の経緯を理解するために本書は、メグロ、メイハツ、カワサキの歴史をひもとく。650W1のベースとなった『スタミナK1』を生み出したメグロ、そしてその源流となるメイハツが重要な役割を果たしている。メグロで誕生したスタミナK1は、カワサキ『500メグロK2』へと進化し、最終的に650W1が誕生した。この過程でメグロ、メイハツの関係者がカワサキに移り、650W1の開発に関与したという。
本書では、これらの変遷を紹介し、それぞれのブランドの車両について解説する。解説には当時の写真、広告類、車両写真、配線図、四面図、諸元表などが収録されており、史料としても充実している。また、1999年に復活した新世代のWシリーズや、2021年に復活したメグロブランドの『K3』についても収録されている。さらに、1992年に発売された『エストレヤ』も取り上げており、これはメグロ『250SG』を現代に復活させたモデルであり、650W1を語る上で不可欠な存在であるとする。
この特別限定版は、2024年3月に刊行された『カワサキW メグロ - メイハツ - カワサキへと連なる伝統』をベースに、350部限定で製作されたコレクターズアイテムだ。専用の外箱にはカワサキ650W1S(スペシャル)の写真が掲載され、裏面にはその特徴的な部分の写真とスペック表が収録た。表紙は黒基調の特別限定版専用の装丁で、特製カード(著者・小関和夫氏の直筆サイン入り)が添付されている。全てハンドメイドで仕上げられ、シリアルナンバーNo.001~350の検印が貼付される。

『カワサキW特別限定版』
メグロ - メイハツ - カワサキへと連なる伝統
著者:小関和夫(おぜき・かずお)
発行:三樹書房
体裁:B5判・上製・312頁/(カラー160頁)
定価:8800円(本体価格8000円+税10%)
発売:2024年4月30日
目次抜粋
第1章 カワサキメグロ戦前史
第2章 戦後カワサキの歴史
第3章 メグロ戦後の歴史
第4章 OHVツイン、650T & 500Kの系譜
第5章 カワサキ+メグロ提携前後
第6章 メグロK1からカワサキK2へ、エンジン比較
第7章 メグロK1からカワサキK2へ、車体の変化
第8章 カワサキ500K2がX650へ、XはW1へ進化
第9章 我が国最大排気量 カワサキ650W1登場
第10章 本格的対米輸出モデル W2シリーズ誕生
第11章 ツインキャブW1S=スペシャル国内投入
第12章 W1S-Aで左チェンジ 人気沸騰、生産継続
第13章 ダブルディスクのロードスターW3登場
第14章 最後のメグロ車250SGTと250SG
第15章 時代性を超越、究極のW400-650-800
第16章 2021年、メグロがK3で復活
カタログ・広告でたどるメグロ - メイハツ - カワサキに至るモデル変遷史
Wシリーズの伝統を受け継いだ新世代のモデルたち
歴代車両実車詳解
