エンジンオイルの過不足が招くリスクと最適な量の見極め方~カスタムHOW TO~

エンジンオイルの過不足が招くリスクと最適な量の見極め方~カスタムHOW TO~
エンジンオイルの過不足が招くリスクと最適な量の見極め方~カスタムHOW TO~全 2 枚

エンジンオイルは最も重要な消耗品の1つ。エンジン内部を常に潤滑することで金属同士が接触し摩耗することを防いでいる。オイルが金属同士の摩耗を和らげなければ、エンジンはあっという間に消耗してしまう。

他にもエンジン内部の冷却やパーツの洗浄など様々な役割を持っている。なので、エンジンオイルは最も重要な要素だが、その使うオイルの銘柄はもちろん、粘度や量なども重要になってくる。さらにエンジンオイルの量も重要な要素のひとつ。

◆エンジンオイルにもっとも重要なのは“量”って本当か!?

特にエンジンオイルでシビアに見ておきたいのはその量だ。

エンジンオイルは々な銘柄やブランドがあり、純正オイル以外を使う人も多い。このメーカーのオイルが良いとか、あっちのメーカーのオイルの方がいいとか、様々な話はあるが、 とりあえず普通に走る分には、一般的に市販されている。オイルがきちんと入っていれば、早々エンジンが壊れる事は無い。そういった銘柄などよりもまずはその量を気をつけてもらいたい。

どんなに高性能なオイルでも、そもそも量が足りなければ、エンジン内部をすみずみまで潤滑することができなくなり、油膜切れによるエンジン内部のダメージを起こしやすい。基本はエンジンを止めたときに、レベルゲージのFからEの間にオイルがあること。オススメはFのラインにぴったりとオイルが入っていることが基本となる。

ただこのオイルの量をいつどんなタイミングで確認するかというのも、重要な要素の1つ。エンジンを止めた直後に見るのか、止めてから10分ほどして見るのか。翌朝見るのか。それによってもレベルゲージにつくオイルのレベルは変わる。

特にスバル車など水平対抗エンジンは、エンジンヘッドからオイルパンまでの高低差が少なく、エンジンオイルがオイルパンに戻ってくるまで時間がかかりがち。そうなるとエンジン停止後すぐにオイルレベルをチェックしてその時にFのラインに来るようにエンジンオイルを入れると、翌朝にオイル量を見るとフライインをはるかに超えてしまっていることがある。

◆エンジンオイルの量が少ないと何が起きる?

エンジンオイルが少ないとオイルポンプがオイルを吸い上げることができなくなり、エンジン内部の潤滑不良を招きやすい。しかし、多すぎるエンジンオイルは、クランクシャフトがオイルパン内のオイルを巻き上げてしまい、クランクケース内にオイルミストを多量に発生させてしまう。

このオイルミストがブローバイガスとして排出され、ブローバイガスはインテークから燃焼室に戻されるので、エンジン内部に多量のオイルが入り燃焼する。

そうなるとマフラーから白煙を拭いたり、インテーク側がオイルでベタベタになったりしてしまう。エンジンオイル入れすぎも良くないので、オイルがヘッドからオイルパンまで戻ってくるのに時間がかかるクルマの場合、エンジン停止後に数時間置いてからレベルを確認するのがオススメ。もしくはエンジン停止直後に見るのであれば、ラインよりも少し少なめになるように調整した方がよい。

逆に多めに入れたほうが良いこともある。サーキット走行で強いGが掛かったときに、オイルがオイルパンの内部で片寄ることで、オイルを循環できなくなってしまうことがあり、こういった場面では多めにオイルを入れることがある。

だが、そういった措置が必要なエンジンもあるが、基本的には多すぎるオイルはブローバイガスに含まれるオイルが増えてしまうので、安易にたくさん入れれば良いわけではない。多めに入れたほうがいいエンジンかどうかはプロショップの意見を仰ぎたい。

エンジンオイルは即ダメージにもつながる重要な部分。そのため粘度も安易な変更は危険。燃費が良くなることを狙って純正指定よりも低粘度にすると油膜切れのリスクもある。硬すぎる粘度はオイルの循環が遅くなり、それによって潤滑不足が起きることもある。

オイルは銘柄によってフィーリングも代わり、チューニングの第一歩的な部分だが、ダメージを与えるリスクもあるのでプロの意見を仰いだうえでさまざまなものを使ってみてもらいたい。

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

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