トーヨータイヤ、次世代タイヤの開発を高速化…HPEの「Cray XD」システム導入

トーヨータイヤが導入したヒューレット・パッカードの「Cray XD」システム
トーヨータイヤが導入したヒューレット・パッカードの「Cray XD」システム全 1 枚

ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)は8月22日、トーヨータイヤ(TOYO TIRE)が第7世代HPC基盤を3倍に増強し、HPE Cray XDシステムをHPE GreenLakeクラウドを通じたas a Serviceで採用した、と発表した。

これにより、大規模シミュレーションが従来の半分以下の時間で完了し、AIモデル開発支援環境がさらに強化されたという。

TOYO TIREは、世界的なEV化の進展やタイヤの安全性、低燃費性、耐荷重性、耐摩耗性、静粛性などの環境性能向上に対応するため、第7世代HPCシステムを整備・増強した。このシステムは、ナノレベルの材料解析や複雑なデザインを持つタイヤの構造解析を高速かつ高精度で実行し、設計者が柔軟に利用できる環境を提供する。

HPEのエキスパートチームは、コンピューターの並列処理機能の効率を高めるためにCAEアプリケーションのTOYO-FEMのチューニングを行い、従来の3倍近い高速化を達成した。新システムでは、大規模シミュレーションの計算時間を最大2分の1以下に短縮できるようになり、ディープラーニングモデルの逆問題の予測精度向上も期待されている。

TOYO TIREが採用したHPE GreenLakeは、フルマネージドのエンド・ツー・エンドのソリューションで、データ集約型のワークロードに設計者が計算リソースを最大限に活用するためのコスト効率およびパフォーマンスを実現する。HPE Cray XDシステムの導入により、システム管理の負担軽減や月額費用モデルによる事務手続きのシンプル化が図られた。

TOYO TIREの第7世代HPCシステムは、200ノード9600コアのHPE Cray XDシステムで構築され、コア数を前世代の3倍に増強したにも関わらず、高密度型サーバーの省スペース効果により、既存のサーバールームに収容することができた。これにより、タイヤのデジタル開発の高度化と高速化が実現されている。

《森脇稔》

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