WILLERの“ハイウェイパイロット”育成…異業種・未経験もイチから研修、ドライバーの人材不足に変化を

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WILLER EXPRESSが9月9日、メディア向けに、長距離バスドライバー“ハイウェイパイロット”の新人育成を行う研修施設「WILLER LABO」の説明会を実施した。

説明会に登壇したWILLER EXPRESSの平山幸司代表取締役は、2024年問題や大型二種免許保有者の減少に触れ、長距離バスはもちろん、運送業といった長距離ドライバーの人材不足が本当に危機的状況であると語った。

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人手不足の状況でもなんとか人材採用を行うも、業界全体が広がらず、根本的な問題解決に繋がらない。そこで、人を募集するだけでなく、“長距離ドライバーになりたい”という人をどう増やしていけばいいか、という思考にシフト。その試みのひとつとして2024年4月から運転士、乗務員という名前を“ハイウェイパイロット”と変更した。子供たちも憧れる職業である飛行機などの“パイロット”。そんな名前をつけることで、キツくて大変というイメージの長距離ドライバーを憧れられる職業にしたいという願いが込められている。

もちろん呼称を変更するだけではなく、仕事環境や給与面といった待遇を改善。地方を含めた年収中央値が500万~600万円だったところ、今年は50万円増。今後2~3年をかけて合計100万円の増加を目標にしているそうだ。

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もちろん給料が上がるだけでなく、仕事に対する責任や要求レベルも上がっていくが、コロナ以降、“ハイウェイパイロット”側の意識変化も起こっているという。

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2024年問題への対処やコロナ禍で会社として売上が減る中、サービスをしっかりし、ユーザーフレンドリーに変えていくことで、バス移動をただの移動でなく、ハッピーをつなげるサービスに変えていこうと決意。お客様に選んでもらえるサービスにならなければいけないと意識することで、個々のサービスレベルが上昇し、乗車後に行っているアンケートでバリュースコアが4.3から4.7まで平均値が上がったそうだ。

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こういった現役“ハイウェイパイロット”の待遇改善で流出を防ぐ一方で、新たな人材の雇用にも注力。異業種・未経験、大型免許を持っていない人でもイチから育成を行う研修施設「WILLER LABO」を5月から始動させた。3か月の育成プログラムでしっかりと研修を行い基礎を習得。その後、各地方の営業所に配置されるという。

運転技術は後から育成できるが、サービス精神や接客マインドは個々の素質によるところが多く、サービスの改善を行っていく中で、異業種から積極的に“ハイウェイパイロット”受け入れを決意。飲食、ホテル、空港勤めなど、観光・サービスに従事していた人の技術を“ハイウェイパイロット”に活かすことで、今よりいい待遇で働けることをアピールしていったそうだ。

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結果集まった1期生が3か月の研修を終え、この日2期生が新たに入校式を行った。その中から代表として1期生より富塚さん、2期生より伊藤さんも登壇し、実際に研修を受けた感想や、異業種からWILLERへの応募をした経緯などが語ってくれた。

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富塚さんは前職が成田空港でグランドハンドリングを行っており、伊藤さんも保険の営業職と、まったくの大型運転未経験。どちらもバスの運転や大型の運転に憧れを持っていたところ、未経験でもイチから育成という「WILLER LABO」の謳い文句に惹かれて応募したそうだ。すでに研修を終えた富塚さんは寮生活で仲間意識が芽生えたことや苦楽を共にする仲間がいたことで研修を楽しく乗り越えられたとも話し、予想以上に研修生が仲間意識を持ってくれたことに平山氏は手応えを感じたようだ。

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最後に平山氏は、人材の育成と流出の阻止。両面から“ハイウェイパイロット”の意識や待遇改善を行うことで、WILLERはもちろんのこと、人手不足である高速バス・運輸業界に新しい風を吹き込みたいと結んだ。

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《二城利月》

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