静音技術で車両の検知を困難に、GMの次世代戦術車両に新ハイブリッド搭載

GMが軍用に開発した次世代戦術車両のプロトタイプ
GMが軍用に開発した次世代戦術車両のプロトタイプ全 3 枚

GMは、軍用に開発した次世代戦術車両のプロトタイプを米国で発表した。新開発のハイブリッドシステムを搭載している。

新型車両は、シボレーのフルサイズピックアップトラック『シルバラード』の「2500HD ZR2」をベースに開発された。2.8リットルデュラマックス・ターボディーゼルエンジンと12モジュールのバッテリーパックを組み合わせたハイブリッドシステムを採用し、前後アクスルに駆動モーターを搭載している。

この革新的な駆動システムにより、「サイレントドライブ」と「サイレントウォッチ」と呼ばれる静音技術が実現した。これらの技術により、車両の検知が困難になり、危険な地域での静かな進入・退出が可能となる。また、高エネルギー需要のセンサーや射撃装置、兵士の装備をサポートするための車載電源も備えている。

安全面では、横転保護、アンチロックブレーキ、電子制御式スタビリティコントロール、4点式・5点式シートベルトハーネス、360度カメラなどの能動的・受動的安全機能を装備している。

GMが軍用に開発した次世代戦術車両のプロトタイプGMが軍用に開発した次世代戦術車両のプロトタイプ

戦術的優位性としては、低音響・低熱性能、システムの充電が可能な外部電源供給、長距離・長時間ミッション能力、自律走行への対応、追加装甲の装着可能性などが挙げられる。

さらに、燃料需要の削減、既存のJP8燃料インフラの利用、推進システムの部品・サブシステム削減による整備要件の軽減、燃料・バッテリー・車両部品の補給負担軽減など、持続可能性にも配慮した設計となっている。

新型車両は2人乗り、4人乗り、6人乗りの3種類が用意され、指揮統制、効果発揮、ネットワーク拡張、対無人航空機システム、対装甲、負傷者搬送など、多様なミッションに対応できるよう最適化される予定だ。

GMの防衛部門は、グローバルな防衛・安全保障・政府市場向けに、統合された車両、動力・推進システム、自律性・接続性ソリューションを提供している。親会社であるGMの世界的な設計・エンジニアリング・製造能力を背景に、数十年にわたる実績と数十億ドルの独自研究開発投資により、高い信頼性を誇る技術を提供している。

《森脇稔》

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