【シボレー コルベットe-Ray 新型試乗】ハイブリッドでもコルベットはコルベットであった…中村孝仁

シボレー コルベットe-Ray
シボレー コルベットe-Ray全 48 枚

electric Stingray、略してe-Rayということであろうか。シボレー『コルベット』にもついに電動化の波が押し寄せた。

【画像全48枚】

既存のコルベットと同じ、6.2リットルV8OHVエンジンをミッドシップし、フロントにモーター、そしてセンタートンネルの中にリチウムイオン電池を仕込んである。だから、外観を見たところでそれがハイブリッドであることをわからないし、エンジンルームを覗き込んでも、ハイブリッドに在りがちな、のたくったオレンジ色の配線などもないから、e-Rayというエンブレムを見ない限りは、これがハイブリッドであることは全く分からない。まぁ、コルベットに詳しい人だと、「Z06」と同じワイドボディを纏っていることで、様子が違うことには気付くかもしれない。

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◆ハイブリッドの恩恵は?

普段だと、自分で広報車を取りに行くのだが、今回はワケあって、某編集部のお兄さん(いや、オジサン)がクルマを我が家に届けてくれた。ちょうど仕事中で何やらただならぬエンジンサウンドでやってきたので、すぐにそれと分かった。つまり、普通に走っていれば、普通のコルベットなのである。

ではハイブリッドの恩恵は?ということになるのだが、フロントにモーターを積むというのがヒントであって、要は電動四駆なのである。残念ながら短い試乗時間ではいつ何時、どのようにフロントモーターが介入して電動四駆になるのか、普通に走っていては気が付かないレベル。これがアクセルをガンと踏むと、単なるICEだけのコルベットよりは明らかに鋭い加速を見せる。発進やパーシャルからの加速時にどうやら介入があるようで、とりわけ0→60マイル加速が僅か2.5秒という駿足も、モーターが加担したがゆえに達成できる速さで、これはZ06の0→60マイル加速よりも速いという。

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それほどのパフォーマンスの持ち主だから、日本の都市部ではまさに宝の持ち腐れ状態になる。もっともゆっくりとこのクルマを交通の流れの中で走らせると、意外な側面も見せる。

まずそのスタイルからして目立ち度100%なわけで、どう転んでも普段使いは難しいと思いきや、タウンスピードの乗り心地は至って快適だし、取り回しも悪くない。後方視界は通常のミラーだと絶望的だが、ちゃんとカメラが映し出す後方視界があるから、こちらも問題なし。駐車するにしても今どきのクルマらしくちゃんとカメラの見張り番が映像を写してくれるから安心である。というわけで案外コンビニまでちょっと…などという時にも使えてしまう。

◆コルベットはあくまでもコルベット

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とはいえ、いちいちエンジンをかけてけたたましい咆哮を奏でていたのでは近所迷惑ということで、そのためにあるのが電動走行モードである。これがハイブリッド二つ目の特典。

走行モードは「ステルス」および「シャトル」の二つがある。いずれも、乗り込んでシートベルトを締め、スターターボタンを押す前にモード切替からそのどちらかを選ぶことで、静かな電動走行を可能にする。基本的にはステルスモードが公道走行を可能にするモードで、最高速度72km/h、航続距離6.4kmとなる。シャトルの方は最高速度26km/hで、これはあくまでもガレージに入れる時などの動きを想定したもののようで、これで走り出してみたら、クラスター内にスピードは26km/hまで。エンジンをかけるには車両を止めろ、というという警告が出た。

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早朝だったこともあって、そのまま住宅街を抜け、広い通りでクルマをとめてエンジンをかけた。だから、ステルスにしてもシャトルにしても、このモードに入れるには一旦エンジンまで切って、まさに一からやり直さないと入れられない。あくまでも、乗り込んで静かに走り出したい時だけ使えるモードである。

それにアイドリングストップはするものの、信号待ちからの発進はやはり普通のガソリン車と同じで、エンジンでスタートする。というわけだから、e-Rayとはいえ、コルベットはあくまでもコルベットであって、そのダイナミックさも腹に染み渡るV8サウンドもICEのモデルと何ら変わりはなかったのである。お値段の方は相当にお高くて2350万円なりぃ!である。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員・自動車技術会会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来46年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。最近はテレビ東京の「開運なんでも鑑定団」という番組で自動車関係出品の鑑定士としても活躍中。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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