EV戦略の見直し、カーボンニュートラル時代の自動車産業…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木 光氏[インタビュー]

EV戦略の見直し、カーボンニュートラル時代の自動車産業…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木 光氏[インタビュー]
EV戦略の見直し、カーボンニュートラル時代の自動車産業…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木 光氏[インタビュー]全 4 枚

来たる12月10日、オンラインセミナー「【どうする?BEV・内燃機関は?】米大統領選・欧州議会選の影響と将来シナリオ」が開催される。セミナーに登壇するのは、KPMGコンサルティング プリンシパルの轟木光氏。

本セミナーは以下のテーマに沿って進められる。

1.市場動向・政治動向
2.内燃機関のもう一つの課題 -規制にどのように対応するのかについての考察-
3.BEVはどうすればよいのか?の考察
4.質疑応答

セミナーの見どころを轟木氏に聞いた。


EVシフト積極派と慎重派のメーカーの業績に明暗

自動車産業のカーボンニュートラルに向けた動きは、近年の市場と政治の動向が交差する中で大きな変化を迎えている。

KPMGコンサルティング プリンシパルの轟木光氏は、最新の市場データを基に、バッテリーEVとプラグインハイブリッド車(PHEV)、そしてハイブリッド車の販売動向について見解を示す。

「2023年と2024年(中国は1~8月、米国と欧州は1~9月)を比較すると、バッテリーEVの市場シェアが中国と欧州で減少している状況が見られます。具体的には、中国では23.5%から22.5%へ、欧州では14.6%から13.1%へと低下しています。これは逆に言うと、内燃機関を搭載したパワートレインがシェアを伸ばしていることを示しています。またアメリカと欧州については、特にハイブリッド車が勢いを増していることが特徴です」

「現在、米国市場のハイブリッド車シェアは7%ほどですが、さらに拡大の可能性があります。CAFE規制のためです。この規制は、自動車メーカーが各年にて販売した新車の平均燃費を対象にしたものです。そのため、平均燃費規制値が厳しくなると、各自動車メーカーは、平均燃費を向上させるためにハイブリッド車を増やさざるを得ない状況に置かれます」

中国市場において2024年の1~8月までの販売状況では、PHEVが継続して増加した。「中国では、消費者がバッテリーEVの長所だけでなく、短所にも気づき始めています」と轟木氏は指摘する。充電スポットの混雑や、それに伴う長距離移動の困難さが、特に長期休暇中に露呈し、充電環境の課題が顕在化した。


《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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