【VW ティグアン 新型試乗】実用車として完成形? 室内・走りの快適性はクラスアップ…島崎七生人

VW ティグアン eTSI R-Line
VW ティグアン eTSI R-Line全 25 枚

車名の『ティグアン』はドイツ語のTiger(虎)とLeguan(イグアナ)からの造語で、2007年(本国)の初代登場時、ドイツAuto Bild誌の読者参加のキャンペーンで決定されたものだった。均等に3文字ずつを取ってTIGUANとしたところがいかにもドイツらしかった……というべきか。

ともかく今回、7年ぶりのフルモデルチェンジを実施、3世代目となった新型のリヤサイドウインドゥには、それぞれのシルエットが小さくあしらわれている。

VW ティグアン eTSI R-LineVW ティグアン eTSI R-Line

◆実用車として完成形だった従来サイズを踏襲

実車は先代に対してエンジンフードが高められた。が、先代がエッジを効かせたプレスラインを通すなどしてキリッとした佇まいだったのに対して、うっすらと曲線のキャラクターラインを描いたりボディ面も大らかな曲面基調としたことで、より温和な印象となった。フロントマスクも構成要素が整理され、シンプル方向のデザインとしている。

それとMQB evoへとアーキテクチャーを新しくなり、全長は40mm伸びたものの(新旧R-Line同士の比較)全幅は新旧とも1860mmと変わらないほか、ホイールベースも数値上+5mmに留まっている(全高は1655mmに20mm落とされた)などしている。

VW ティグアン eTSI R-LineVW ティグアン eTSI R-Line

いたずらなボディサイズの拡大は行われなかったのは従来モデルが実用車として完成形だったと理解していいのだと思う。ちなみにCd値は0.33→0.28に向上している。

◆SUV系トップモデルらしいゆとりが味わえる

なお室内空間は手元に子細な資料がないが、当然、目下のVWのSUV系のトップモデルらしいゆとりが味わえる。後席は十分なシートサイズとVWらしい表皮の張りとで快適な着座姿勢がとれる。ラゲッジ容量は652~1650リットル(従来は615~1655リットル)と、日常的な使い勝手をより向上させている。

VW ティグアン eTSI R-LineVW ティグアン eTSI R-Line

運転席まわりは最新のVW車の設えに進化。ステアリングコラム右手の捻って操作するドライブモードセレクター、15インチ大型ディスプレイ始め、スムースな使い勝手を実現したものとなっている。シートはリラクゼーション機能付きだったようだが、限られた試乗時間内でそこまで試す余裕はなく、改めて味わってみたい。

◆街中での快適な乗り味はクラスアップしたかのよう

試乗車には「e-TSI R-Line」を選んだ。20インチタイヤ(ピレリ・スコーピオン)とアダプティブシャシーコントロール「DCC Pro」の組み合わせを試したかったからだ。

VW ティグアン eTSI R-LineVW ティグアン eTSI R-Line

走らせた第一印象は、想像以上に質の高いなめらかな乗り味だったということ。とくに街中での快適な乗り味は先代に対してクラスアップしたかのように感じた。さらにその快適性を保ったままワインディングをこなしてくれる点にも好感をもった。ティグアンの重心高ながらボディは安定しており、タイヤの接地感、ステアリングのしっかりとした手応えにも安心感がある。

TSIエンジンは1.5リットルの4気筒DOHCインタークーラーターボ(150ps/25.5kgm)でこれに7速DSGの組み合わせたマイルドハイブリッドだが、パワー感がごく自然なところがよく、絶対性能も十分で、どんな場面でも気持ちの余裕をもって運転していられる……そんな印象だった。ラミネートガラスの採用で走行中の静粛性が高いところも上質感につながっている。

VW ティグアン eTSI R-LineVW ティグアン eTSI R-Line

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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