トヨタグループ、宇宙ベンチャーに70億円出資…国産ロケット量産化へ

CES 2025に登壇した豊田章男会長
CES 2025に登壇した豊田章男会長全 2 枚

宇宙輸送と宇宙利用を通じて地球の課題解決を目指す宇宙ベンチャー企業、インターステラテクノロジズは、トヨタグループの1社のウーブン・バイ・トヨタと資本および業務提携に合意したと発表した。

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この提携により、ウーブン・バイ・トヨタはリード投資家としてシリーズF ファーストクローズまでに約70億円を出資する。

世界の小型衛星打上げ需要は急増しており、2016年の141基から2023年には2860基と約20倍に増加している。これに伴い、米国では2023年に年間116回、中国では63回の打上げと宇宙輸送能力を飛躍的に向上させている。一方、日本国内では年数回に限られている。

日本政府は2030年代前半までに年間30件程度の国内打上げ能力確保を目標に掲げているが、それには国内宇宙産業の構造変革が不可欠だ。インターステラテクノロジズは、トヨタ生産方式など自動車業界の知見やノウハウを取り入れることで、ロケットを低コストで高品質、且つ量産可能なものづくりへの転換を目指す。

今回の提携は、これまでの人材交流を経てより強固な戦略的提携の確立を目指すものだ。両社は原価低減やリードタイム短縮、量産体制の構築やサプライチェーンの強化、コーポレートガバナンスの強化に向けて共同で取り組む。

インターステラテクノロジズは、日本では初めてロケットと衛星通信による垂直統合型ビジネスを掲げている。同社が研究開発している衛星通信は、スマートフォンなどの地上端末と直接つなぐことができる、高速かつ大容量の次世代ブロードバンド通信だ。

この提携により、インターステラテクノロジズはロケットと衛星通信による宇宙の総合インフラ会社に向けた取り組みを加速させ、「誰もが宇宙に手が届く未来」の実現を目指す、としている。

《森脇稔》

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