次世代デジタルコックピット、QNXがクラウド上で仮想開発を可能に…CES 2025

QNXの自動車メーカー向けの革新的なフレームワーク「QNX Cabin」
QNXの自動車メーカー向けの革新的なフレームワーク「QNX Cabin」全 1 枚

BlackBerry Limitedの事業部門のQNXは、CES 2025において、自動車メーカー向けの革新的なフレームワーク「QNX Cabin」を発表した。

このフレームワークは、高度なデジタルコックピットの開発をクラウド上で仮想化することを可能にする。

QNX Cabinは、クラウドベースの開発環境を提供することで、アーキテクトと開発者が「シフトレフト」アプローチを採用できるようにする。これにより、コードの設計、テスト、改良をクラウド上で行い、その後本番のSoC(System on Chip)ハードウェアへ容易に移植することが可能となる。

このクラウドファーストのアプローチにより、複数のチームが異なる拠点から共同作業を行うことができ、開発ワークフローの迅速化、プロセスの合理化、市場投入期間の短縮が実現する。

デジタルコックピットは、ソフトウェア定義型自動車(SDV)の車内体験の基礎となっている。QNX Cabinは、安全認証取得済みのQNXオペレーティングシステム上で実行される安全性重視の機能と、AndroidやLinuxなどのゲストOSで提供される消費者向けアプリケーションを融合させ、ミックスドクリティカリティな環境での開発課題を解決する。

業界標準のVirtIOインターフェースを活用することで、ハードウェアへの依存度を抑えて拡張性を向上させている。これにより、自動車メーカーは自社のソフトウェアをコントロールし、継続的なイノベーションの実現により多くの時間を費やすことができる。

アジア太平洋地域を拠点とする主要自動車メーカーが既に、クラウドベースの開発作業における規模、コスト、時間の効率化を推進するために、このソリューションを活用する契約を締結している。

QNXはCES2025に出展し、Seeing Machines社やdSPACE社など多数のエコシステムパートナーとともにQNX Cabinの統合デモを実施した。これにより、ドライバーモニタリングシステムやSIL(Software-in-the-Loop)ツールスイートなど、最新の車載技術との連携が紹介された。

QNX Cabinの登場により、自動車業界のソフトウェア開発プロセスが大きく変革される可能性がある。クラウドベースの開発環境がもたらす効率化と柔軟性は、今後の車載ソフトウェア開発の標準となる可能性を秘めている。

《森脇稔》

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