「EVトラックは中近距離が焦点」と語るZO MOTORS、2027年までに中小型トラック3200台を販売目標に設定

ZO MOTORS(ゾウモーターズ)事業説明会
ZO MOTORS(ゾウモーターズ)事業説明会全 9 枚

1月中旬、都内にてZO MOTORS(ゾウモーターズ)が事業説明会を開き、同社日本法人の花田晋作社長がプレゼンテーションを行った。

ZO MOTORSは新エネルギー商用車のファブレスメーカーで、日本法人は香港のZO FUTUREから4億4000万円の出資によって設立された。車両開発は各ローカル拠点が現地の法規や認証に合わせて進め、それらの要件に適合したモデルを中国や東南アジアのOEMで生産。プロダクトとして輸入しては、販売とアフターサービスを現地で手がけるというビジネスモデルだ。カンボジアやアメリカのように現地拠点が現地生産を希望するパターンもあるが、基本的には販売後の広域メンテナンスおよびロードサービスについても、現地のパートナーと提携してユーザーに供されるという。決してEV専門のトラックメーカーではないが、当面は日本市場において中近距離輸送に用いられる5~8トン、さらに3トンの中小型のEVトラックを展開していくという。

というのも、日本の8トン以下の商用車両保有台数は44万台前後に対し、トラック市場における新車販売台数は約10万6300台。うち約7万8000台が6~8トン、2万2500台が5トン、5900台が3.5トン車に相当する。一方で電動トラックの保有比率はここ数年、全体の3%以下で1万2000台だが着実に微増傾向で、内訳としては水素が横ばいでハイブリッドが微減、EVだけが2022年以降から加速度的に伸びており、その要因はバッテリーコストが下がったためと花田社長は説明する。

ZO MOTORSの花田晋作社長

以上のことから市場規模に対してEVトラックの潜在的需要、そして市街地環境でのクリーン化の要望は高いと捉え、中近距離輸送でこそEVトラックの強みが活かせるというのだ。そこで8トン以下のトラックの新車市場で25%が電動化されると見立て、現市場規模から2027年までに2万6575台が潜在的なターゲットとなるという。

ZO MOTORSはすでに市場調査車両として『ZM6』を顧客の要望や反応を観察するために投入している。これは6トン車でCATLから供給される81.14kWh容量のリン酸鉄バッテリーを搭載して189kmを最大航続距離とし、最大積載量は2.9トン、V2Lにも対応している。具体的には、川崎市の住宅地にあってトラックの騒音やメンテナンスコストの低減といった要望をもつ中小規模の運送会社と実証実験中だという。

さらには今年12月に5トン車である『ZM5』、次いで中型8トン車の『ZM8』を2026年6月に、続いては来年12月に普通免許対応の小型3.5トン車をボディバリエーション含め3車種、投入していくという。販売計画は、2025年中に300台、2026年に800台、2027年は2100台を掲げており、ターゲット内におけるシェアとして各年、1.5%から3%、8%と順次拡大を図っていく。


《南陽一浩》

南陽一浩

南陽一浩|モータージャーナリスト 1971年生まれ、静岡県出身。大学卒業後、出版社勤務を経て、フリーランスのライターに。2001年より渡仏し、パリを拠点に自動車・時計・服飾等の分野で日仏の男性誌や専門誌へ寄稿。現在は活動の場を日本に移し、一般誌から自動車専門誌、ウェブサイトなどで活躍している。

+ 続きを読む

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  4. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る