米新興EV「カヌー」、破産法の適用を申請…政府支援得られず経営難に

米「カヌー」のEV
米「カヌー」のEV全 2 枚

米国の新興EV企業のカヌー(Canoo)は、破産法の適用を申請したと発表した。同社は高度な技術を持つ先進的なモビリティーおよびエネルギー企業として知られていたが、資金調達の困難に直面し、事業継続が不可能となった。

カヌーは米国製の電気自動車(EV)を開発・製造し、NASA、国防総省、米国郵政公社(USPS)、オクラホマ州政府などの政府機関に製品を納入してきた。また、大手小売チェーンのウォルマートとも契約を結んでいた。しかし、米国エネルギー省(DOE)の融資プログラムオフィスからの資金支援を確保できず、経営難に陥っていた。

同社の経営陣は最近、海外からの資本調達を模索していたが、これらの努力も実を結ばなかった。その結果、取締役会は破産申請という困難な決断を下すに至った。

カヌーの最大投資家であり、会長兼CEOを務めるトニー・アキーラ氏は声明で、「従業員の献身的な努力に感謝したい。皆が我々の会社を信じてくれていたことを知っている。事態がこのような結果になってしまい、本当に残念だ」とコメントした。

破産申請により、カヌーは直ちに事業を停止する。デラウェア州の破産管財人が任命され、同社の資産の清算と債権者への配当を監督することになる。

この破産申請は、EVスタートアップ企業の厳しい経営環境を浮き彫りにしている。政府支援や民間投資の獲得が困難な中、多くの新興企業が資金繰りに苦しんでいる。

《森脇稔》

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