三浦昂がカタールを激走!FIAワールド・バハ・カップへ2回目の挑戦、ダカール・ラリーV12連覇も見事に達成

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QATAR Internatinal Baja
QATAR Internatinal Baja全 74 枚

2024年10月30日から11月2日にカタールで開催されたオフロードラリー「QATAR international Baja」(バハ・カタール)で、トーヨータイヤOPEN COUNTRY M/T-R」を装着した三浦 昂選手・ジャン・ミッシェル・ポラト選手組の駆るトヨタ『ハイラックス』(#203)がUltimeteクラスで4位入賞(総合6位)を果たした。

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前回2024年5月にギリシャ開催された「FIA World Bajas Cup」(FIAワールド・バハ・カップ)に続いて、今シーズン2回目の参戦となるバハ・カタール。同じく前戦に続いてT1+のハイラックスを駆る三浦選手、今回の課題はマイレージを稼ぎつつさらにマシンの理解度を含めることだ。前回のバハ・ギリシャでは初参戦・初優勝という輝かしい成績を収めただけに、今回も表彰台を狙っていきたいところ。早速その裏側を、三浦選手のコメントとともに振り返っていこう。

序章となるプロローグステージは難なく走破、SS1-3に向けて準備万端

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今回のカタールラウンドに合わせて、マシンとタイヤがアップデートされた。まずはマシンだが、今回はデザートラリーのため車幅などの制約はほぼない。前回のギリシャではナローフェンダー・ナロートレッドでのセッティングであったため、まずはワイドフェンダー・ワイドトレッドによって、より高速での安定した走りが実現できるように変更された。

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そして足元を支える「OPEN COUNTRY M/T-R」も、さらにチューニングが進められた。前戦のバハ・ギリシャで課題であったロングディスタンスでの性能低下を改善するために、より長い距離に照準を合わせたスペックが新たに開発されてこのカタールラウンドへと投入されたのだ。

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開幕前に実施したプライベートテストでも感触は上々、その夜にはセレモニアルスタートが開催され、いよいよ翌日から序章のプロローグステージがスタートする。プロローグステージを走りきった三浦選手のコメントはこちらだ。

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「今日は10kmほどのステージを走行しました。開けたエリアの中のステージでしたが、フラッグによってスラロームのように走る区間があり、大きな車に対してタイトなコースに苦戦しました。クルマにトラブルなく完走することができたので、明日からの本格的なステージで、クルマや新しいタイヤを楽しみながら走りたいです」(三浦選手)

(プロローグステージ リザルト:クラス4位、総合9位)

不運が重なりタイムロス、中東ラリー特有の“ルート”に苦労しながらも善戦

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いよいよ本格的なラリーデイとなるSSがスタート。デイ1はSS1、SS2と1日かけて2つのSSを走破する長丁場だ。ここで中東ラリー特有の問題に直面することになる。それが“コースを案内通り進んでいく”ということだ。

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これだけみると何が難しいのか、わからない読者もいることだろう。簡単に解説すると、バハ・カタールの道案内はSSのスタート地点で直前に配られるルートブックと、車輛に搭載されているGPSナビゲーションのみ。これらを駆使してチェックポイントを通過する必要があるのだが、いわゆる“地元走り”ができるドライバーたちは、ペナルティを覚悟で文字通り最短距離を目的地まで駆け抜けるルートで走り抜けていく。

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一方で三浦選手は今回が初挑戦かつ誤差の大きいGPSにも苦戦し、走行ルートを迷いなく見つけて走っていくというのが非常に難しいポイントの1つであった。事実として撮影していても、チェックポイントによっては5台に1台が逆走や迷っている様子もあり、中東ラリーの難しさが感じられた。SS1-2の三浦選手のコメントは下記の通り。

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「SS1はパンクしタイムロス。SS2でもミスコースや、最後にパンクなどリズムに乗って走ることに苦戦し、トップからは遅れをとってしまいました。また、ドライバーやクルマによって通っている道が異なり、本当に正しい道を通るのが難しい複雑なコースにも苦労しました」

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「実際チームメイトのハイラックスより25kmほど、多くの距離を走っているそうです。ライバルの状況を見ると、上位2台のミニとチームメイトのハイラックスがずば抜けており、道の選択の躊躇のなさ、ボトムスピードが高いのが外から見ても分かります。SS3ではなるべく最短で行くことを優先していきます」

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「前戦のギリシャは主に林道のステージで道の選択肢が1つでしたが、今回は砂漠なのでドライバー任せなコースとなっています。明日はT1クラスのクルマに対しての理解度を深め、車に合わせたコース選択でしっかりペースを上げていきたいです。また、ここで得られた経験をクルマやタイヤへフィードバックしていきたいと思います」(三浦選手)

(SS2終了時 リザルト:クラス4位、総合14位)

逆転の光が見えた快走!ステージ優勝まで惜しくもあと1歩でバハ・カタールは幕を閉じる

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いよいよデイ2はSS3を残すのみ。表彰台圏内でのフィニッシュを狙う三浦選手は、約6分30秒差の前走者をまずはキャッチアップしたいところだ。デイ1でマシンの理解度もまた1段階あがった三浦選手は、本格的に走り方をアップデート。エンジニアと密にコミュニケーションを取り、最適解を引き出していた。最終日を終えた、三浦選手のコメントは下記の通りだ。

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「SS1-2はあまり良いリズムに乗れなかったので、エンジニアのマティと相談して主に走り方を大きく変えました。具体的には、目の前にサッカーボール大の岩がでてきたときも怯まず全開で最短のルーティングを取ること(驚くことにマシンのパフォーマンスでカバーできるそう)。突然現れる地層の段差など見極め、なるべくアクセルを開ける時間を長くすることで、T1マシンのポテンシャルを信じて走ることを意識してSS3に臨みました。」

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「硬くて速い路面から砂丘まで様々なところを走りましたが、状況に応じて頭を切り替え、うまくタイヤを使い切れたと思います。本当はステージ優勝を狙っていたのですが、一歩届かない結果になってしまい残念です。このラリーでT1+の車両への理解をより深めることができたので、ぜひ来シーズンの参戦へとつなげていきたいです」(三浦選手)と締めくくった。

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実際に最終日の走りは、それまでのバハ・ギリシャ~SS2から外から見てもレベルアップしており、地元のドライバーの勢いに負けない素晴らしい走りを見せてくれた。もしもう1日走行があれば表彰台も狙えたかもしれないが、惜しくもバハ・カタールはここで終了。SS3はクラス2位/総合3位でトップとのタイム差7分32秒というペースで走破したことからも、次戦の走りに非常に期待が高まる。悔しさも残る結果だが、1歩1歩進化し続けているということが確かに実感できたバハ・カタールであった。

(最終リザルト:クラス4位、総合6位)

ダカールラリーV12連覇達成!約7,400km/15日間におよぶ、世界一過酷なラリーレイドへ参戦

ダカールラリー2025/チームランドクルーザー・トヨタオートボデーダカールラリー2025/チームランドクルーザー・トヨタオートボデー

三浦選手の次の戦いは、2025年1月3日より開催される「ダカールラリー2025」。今回のダカールも、前戦に続いて6度目のサウジアラビア大会となる。チーム体制は今年も同じく、市販車クラスのT2にトヨタ『ランドクルーザー300』で「トヨタ車体チームランドクルーザー」(TLC)の2台体制参戦。ドライバーも三浦選手&ジャン・ミッシェル選手のコンビで、三浦選手組は1号車をドライブする。

TLC参戦車両『ランドクルーザー300 GR SPORT』TLC参戦車両『ランドクルーザー300 GR SPORT』

三浦選手はナビゲーターとしてダカールラリーを2007年と09年に制覇し、ドライバーに転向後も18、21、22年と過去3回優勝を重ねてきた。2014年からV11連覇を果たしたTLCは今年V12連覇がかかっており、この記録は日野自動車が達成した2010年から2021年までのV12の記録にならぶ大記録がかかった大会でもあるのだ。

12連覇を達成したチームランドクルーザー・トヨタオートボデー12連覇を達成したチームランドクルーザー・トヨタオートボデー

そしてダカールラリー2025を走破したTLCチームは、市販車クラスで見事に三浦選手&ジャン・ミッシェル選手組が優勝を果たす。見事に偉大なるV12連覇の記録を達成した。

オープンカントリー M/T-Rオープンカントリー M/T-R

足元にはダカールラリー2025仕様へアップデートされた「OPEN COUNTRY M/T-R 2023」を装着。ケース構造と浅溝化のチューニングを中心に、より高剛性で軽いタイヤに仕上がっているという。さらにコンパウンドにはサステナビリティ素材が採用されており、この技術は市販タイヤへとフィードバックされる。

QATAR Internatinal BajaQATAR Internatinal Baja

三浦選手とトーヨータイヤの2025年シーズンは「FIA World Rally-Raid Championship 2025(W2RC)」へ参戦が決定。BAJA WCと比較しても日数・距離が長いクロスカントリーラリーなので、マイレージによるマシンへの適応とさらなる経験値の増加によって、三浦選手もこれまで以上に成長できるチャンスだ。以前インタビューの際に、自身の“夢”と語ってくれたT1マシンでのダカール参戦。きっと近い将来に実現してくれるだろう。三浦選手とトーヨータイヤの戦いから、ますます目が離せなくなりそうだ。

TOYO TIRES『OPEN COUNTRY』の製品ラインアップはこちら
《取材協力:トーヨータイヤ》

《後藤竜甫》

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