価格もサイズもコンパクト! 軽キャンパーの進化が止まらない…ジャパンキャンピングカーショー2025

価格もサイズもコンパクト! 軽キャンパーの進化が止まらない…ジャパンキャンピングカーショー2025
価格もサイズもコンパクト! 軽キャンパーの進化が止まらない…ジャパンキャンピングカーショー2025全 27 枚

大小さまざまなサイズのキャンピングカーが一堂に展示されたジャパンキャンピングカーショー2025、幕張メッセで1月31日から2月3日に開催され多くの来場者を集めた。展示車両の中でも最小クラスの軽キャンパーは注目を集める人気のジャンルとなっている。

世界でも最も小型のキャンピングカーとなる軽キャンパー。日本独自の軽自動車をベースにしているまさにミニマムサイズのキャンピングカーだ。軽キャンパーはこれまでもさまざまなビルダーがオリジナルモデルをリリースする人気ジャンルとなっている。その理由はコンパクトさと手軽さだろう。しかし価格に関しては近年装備の充実度アップもあってかなり高価なモデルも存在するようになっている、それでも軽キャンパーを選ぶユーザーが後を絶たないのは、狭小住宅のように限られたスペースでどこまで機能を盛り込むかに魅力を感じるからかも知れない。工夫を凝らした内装架装を見ているとメカとしての魅力を感じてしまうほどだ。

ところで軽キャンパーとひと言で言っても、大きく分けて2つのタイプがある。もっとも手軽なタイプはバンコンバージョンだ。スズキ『エブリイ』、ダイハツ『ハイゼット』、ホンダ『N-VAN』などの軽バンをベースに内装を架装してキャンピングカーに仕立てたタイプだ。普段使いは軽バンのままでベッドなどの装備を備えている使いやすいモデルだ。一方、軽トラックをベースにしてキャビン後方を樹脂製のキャンパーシェルで架装したキャブコンもラインアップされている。居住性の高さはバンコンをしのぎ、キャンピングカーとして可能性は高いモデルとなる。軽キャンパーの中ではより本格モデルと言えるだろう。

そんな軽キャンパーの用途としては、限られた車内スペースなので、大型のキャンピングカーのような多人数での就寝は難しい。多くの場合は1人旅仕様であったり、せいぜい2名就寝までが現実的だ(ポップアップルーフで就寝人数を増やしているケースもある)。釣りやキャンプ、登山などの趣味に出かける車中泊カーとして活用しているオーナーも多いのはそんな理由から。フットワークも軽く、1人で利用するにはちょうど良いサイズなのも人気のポイントになっている。気ままにフラリとキャンプ旅に出かける、そんなまさに自由な使い方ができるのも軽キャンパーの良いところだ。

ジャパンキャンピングカーショー2025にはそれぞれ個性的な仕様を備えていた多数の軽キャンパーが出展された。そんな中から注目モデルをピックアップしたので紹介して行こう。

C-BUS Lタイプ…ナッツC-BUS Lタイプ…ナッツ

キャンピングカーの大手ビルダーであるナッツが出展した軽キャンパーは、『C-BUS Lタイプ』をベースに猫バス風の外装架装を施したデモカーだった。キャンピングカー作りに加えて外装デザインにこだわった作り込みも得意とする同社の遊び心が詰まったモデルとなった。もちろん中身のC-BUS Lタイプは充実装備の軽キャブコンとなっているので特徴を見ていくこととしよう。

ハイゼットトラックをベースとしたこのモデル、後部にキャンパーシェルを装備したキャブコンで軽キャンパーとしての居住性の高さは群を抜く。真四角のキャンパーシェルはとにかく室内容積を最大化できるのが特徴だ。さらにポップアップルーフを備え室内空間の開放感は抜群。横座りのシートと後方のベンチシートをL型にレイアウトし限られたスペースに使いやすいリビングを現出させる。クーラーやギャレー、リチウムイオンバッテリーシステムなどの充実装備も魅力のモデルだ。

オフタイムトラベラー2…スマイルファクトリーオフタイムトラベラー2…スマイルファクトリー

軽キャンパーで心配される断熱性能に関して力を入れたモデルとなったのが、スマイルファクトリーの『オフタイムトラベラー2』だ。

エブリイをベースに、ルーフやウォール面など(ガラス以外のほとんどの部分)に断熱材を施すことで車内の快適性をアップさせたのが特徴。クォーターウインドウに設置するシェードにも断熱材を挟み込んだ生地を用いる徹底ぶり。フロントシート以降を全面ベッドにできるシンプルだが広いベッドスペースも使い勝手が良い。後部にはクォーターパネルに橋渡しする形でテーブルもセット可能。ルーフにクーラーを取り付けることも可能なので、寒い冬から暑い夏までオールシーズンでキャンプを楽しめる軽キャンパーになった。

シークPOP…ルートシックスシークPOP…ルートシックス

近年、軽キャンパーベースとして用いられることが多くなっているN-VAN。ルートシックスの『シークPOP』もその一台。ネーミングの通りポップアップルーフを備えて、キャンプ場に着けば一気に車内スペースを上方向に拡張できるモデルとした。

もともと天井高の高い&フロアが低いN-VANなので、ポップアップルーフを備えることでさらに開放感満点の車内を作り上げている。キャビン側のベッドとルーフ上を合わせて4名就寝を可能にしているのも注目。これならファミリーでキャンプに出かけることもできそうだ。フロントには回転シートを採用し、後部のベンチとリビングアレンジを可能にしているのも軽キャンパーサイズとしては魅力的な作りだ。

ぽっち…OMCぽっち…OMC

OMCの、N-VANベースのキャンピングカーである『ぽっち』。見どころとなったのは軽キャンパーの限られたスペースにクーラー、冷蔵庫、電子レンジを備えつつ、2名就寝可能なベッドを備えた点だろう。

キャビンの右サイドに冷蔵庫や電子レンジをビルトインした家具を備え、その上にスライドして展開できるベッドを装備する独特の構造。さらに左サイドは後方から助手席部分までにマットを敷き詰めてもう1名分のベッドスペースも確保。段違いのベッドをという独特のスタイルながら十分なスペースのベッドを2名分確保するのも同モデルならでは。冷蔵庫や電子レンジの装備が充実しているので、車内で食事をするのにも最適な仕様となった。

ミニチュアシマウザーCP…岡モータースミニチュアシマウザーCP…岡モータース

電気自動車の軽バンとして注目を浴びているN-VAN e:。このクルマをベースにした軽キャンパーとして登場したのが岡モータースの『ミニチュアシマウザーCP(クーラーパッケージ)』。

見どころとなったのは走行用バッテリーを外部給電機(フロントの給電口に差し込み設置)を使って電源として取りだし、後部にある外部電源の入力ポートにケーブルを接続し車載のクーラーや電子レンジ、電気ケトルやホットプレートを利用できる仕様を作った点だ。12Vクーラーであれば走行用バッテリーで最大約40時間稼動できるので十分実用的だ。ベッドの下部にポータブル電源や電子レンジを設置する棚を設けるなどスペースをうまく使った設計も光る。十分なサイズのベッドも備えて実用的なキャンパーに仕上がった。

土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

《土田康弘》

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