【トヨタ クラウンセダン 新型試乗】「これぞクラウン!」メルセデス“S”と肩を並べる快適さ…島崎七生人

トヨタ・クラウン(セダン)
トヨタ・クラウン(セダン)全 17 枚

「クラウン3部作」(ほどなく4作目のエステートも走り出す模様)の中で、とくにサブネームが与えられていないのがこのセダン。発売は2023年11月のことだったが、改めて乗ってみると、なるほど「これぞクラウン!」と思わせられる。

とくにいいのが“乗り味”だ。市場で既存の3作中では唯一、レクサス(LSなど)と出自が共通するFRプラットフォームがベース。そのことがジワッと身にしみる、実になめらかで質の高いドライバビリティを味わわせてくれる。

トヨタ・クラウン(セダン)トヨタ・クラウン(セダン)

試乗車はメーカーパッケージオプションの20インチ(標準は19インチ)タイヤを装着していたが、ドライブモードセレクトの標準状態でも十分に快適。さらにコンソールのトグルスイッチで“REAR CONFORT”モードを選び試してみると、筆者がいつも試す大小の凹凸がランダムに続きクルマの揺れを誘発し時に角のあるショックも拾う路面を、まるで舐めるように通過した。

メルセデス・ベンツの“S”と肩を並べる快適さだと思えた。もちろん我が家の乗り心地・NVH評価担当のシュン(柴犬・オス・3歳)も、小刻みに自分の身体が揺さぶられないこの後席は快適だったようだ。

ステアリングのなめらかと、ちょうどいい重みが感じられる操舵感もいい。最小回転半径は5.7m、全長5030mm、全幅1890mm、ホイールベース3000mmだが、そのサイズ感を念頭に扱えば、スーパーの駐車スペースにも楽に入庫できた。

トヨタ・クラウン(セダン)トヨタ・クラウン(セダン)

強いていえば、セレクターでR(リバース)を選んだ際、左右のミラーが連動して自動で下向きにアングルを変えてくれ、後輪まわりを見せてくれるのは、カメラ類が充実した今でも、クラウンほどのクルマならあると親切な機能だと思う。

FCEVに対するHEVのパワーフィール、マナーも大きく見劣りは感じない。概ねシズシズとコチラの神経を逆撫でするような場面を作らずにクルマを走らせてくれる。

トヨタ・クラウン(セダン)トヨタ・クラウン(セダン)

後席のアームレストを引き出すと、タッチパネルが現れ、ここでエアコンやシート、リラクゼーション機能が操作可能になっていた。後席はスタイルに比して案外とフォーマルセダン風のポジションでシート座面はやや高め。相対的にドア開口部の上部が少し低めで、乗り降りの際はホテルのエントランスのようにドア開口上部に手を添えてくれる誰かがいてくれるといいのだけれど……。

トランクオープナーのスイッチがドアトリムだったのは昔の話で今はインパネ右下のボタンだが、トランクと全ドアにはイージークローザーの機能が標準で備わる。

トヨタ・クラウン(セダン)トヨタ・クラウン(セダン)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. ホンダ『プレリュード』新型、ホームページで先行公開…発売は9月
  3. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  4. スバル『フォレスター』に早くも「理想の姿」と話題の特別仕様、「最初から出してよ!」の声も
  5. トヨタ「クラウン」「アルファード」など21車種、64万台超の大規模リコール[新聞ウォッチ]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
  3. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
ランキングをもっと見る