ヤマハ発動機は、グループ会社のヤマハモーターエンジニアリングが、新製品の電動アシストホースカー『X-QUICKER(クロスクイッカー)』を、富士市消防本部中央消防署大渕分署に納入したと発表した。静岡県内での納入は今回が初となる。
ホースカーは、消防車から火災現場までホースを運搬するための資機材。消火用ホースは1本約8kgで、複数本を運ぶと重量が増し、運搬が困難になる。『X-QUICKER』は手引きホースカーにアシスト機能を追加し、ホース10本積載時でも隊員の負荷を軽減し、迅速な移動を可能にする。
この製品の最大の特徴は、電動アシスト自転車「PAS」の技術を応用したアシスト機構だ。曳く力と速度を検知し、最適なアシストを行うため、誰でも直感的に操作できる。取扱い説明後に隊員が操縦した際も、「容易に操作ができる」「坂道を走行しても軽い」といった声が寄せられた。

2025年にヤマハモーターエンジニアリングの消防事業は40周年を迎え、新たに消防ブランド『X(クロス)』を立ち上げた。今後も消防隊員の頼れる相棒となる製品作りに取り組む。
富士市消防本部は、隊員の高齢化や山間部での活動を考慮し、電動アシストホースカーの導入を決定した。女性隊員の活躍も増えており、地元企業を応援する取り組みの一環として、静岡県内製の資機材を選定している。