燃費だけじゃない! EV/PHEVからガソリン車までメリット・デメリット総まとめ

燃費だけじゃない! EV/PHEVからガソリン車までメリット・デメリット
燃費だけじゃない! EV/PHEVからガソリン車までメリット・デメリット全 18 枚

車を選ぶとき、何を基準に考えるだろうか。燃費、コスト、環境性能、または走行性能だろうか。近年、EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)の選択肢が増えたことで、車選びはさらに複雑になっている。

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本記事では、EV、PHEV、レギュラーガソリン車、ハイオクガソリン車、ディーゼル車のメリット・デメリットを4つの注目ポイントから比較し、最適な選択をサポートする。

●燃費・コスト面の違い

車選びで多くの人が重視するのが購入費用と維持費である。ここでは、購入時の初期費用とランニングコストの観点から各車種を比較する。

EV(電気自動車)

TOYOTA bZ4XTOYOTA bZ4X

【メリット】充電費用が安価(1回の充電で約500~700円程度)。メンテナンス費用も少なく、長期的にはコストを抑えられる。
【デメリット】初期費用が高額(300万円以上が主流)。バッテリー交換費用が高い。

充電によりバッテリーに電力を蓄え、その電力でモーターを駆動して走行するのが電気自動車(BEV)だ。ガソリン車など内燃機関で走行するクルマ(以下:ICE/インターナル・コンバッション・エンジン)と違い、BEVは搭載するリチウムイオンバッテリーによって航続距離が決まる。しかし、そのバッテリーは極めて高価であるため、その容量次第で車両価格は大きく左右されがちだ。

それだけに航続距離の長さを優先してバッテリー容量が大きいBEVを選ぶと、その価格はおのずと高くなっていく。逆に近所しか走らないとして少ない容量で選べば価格はグッと安くなる。単なるタンクとなっているICEとはここが大きく違う。

一方でメンテナンス費用となるとBEVはICEよりも負担は小さい。ICEはエンジン用のオイルはもちろん、変速機も組み合わせるためにミッションオイルやAT/CVTフルードの交換を定期的に行う必要があるからだ。もちろん、BEVでもブレーキパッドなど消耗品はないわけじゃないが、それでもオイル代を含めた消耗品代はBEVが安く済むのは間違いない。

走行に必要な費用でもBEVは有利だ。ガソリン価格は2025年に入って補助金の減額が始まったことから全国平均価格は180円を超えており、電気料金も値上がりが続いているものの、自宅で充電する限り圧倒的にBEVの方が維持費は安くなる。

さらに言えば、BEVは購入時に補助金がもらえるというICEでは得られない特典もある。4年間の保有義務が生じるが、BEVなら最高で85万円、軽自動車やPHEVでも55万円が国から支給されてきた。この補助金精度は年度ごとに変わるので購入時にどの程度支給されるかは不明だが、過去の例で言えば、BEVなら走行費用を含め、その維持費はまるまるこの補助金内に収まってしまう計算となる。

PHEV(プラグインハイブリッド車)

MITSUBISHI アウトランダーMITSUBISHI アウトランダー

【メリット】ガソリンと電気を併用するため燃費が良い。短距離なら電気走行だけで済む。
【デメリット】EVに比べて充電費用はやや高め。ハイブリッド機構の分だけメンテナンスコストが上がることも。

ICEとBEVのいいとこ取りしたのがPHEV(プラグインハイブリッド車)で、エンジンを持つハイブリッド車(HEV)ながら充電を可能としているのがポイントとなる。一般的なハイブリッド車よりもバッテリー容量は大きく、これによってバッテリーでの走行時間が長くなり、その間はBEVとほぼ同等の走りも期待できる。

また、エンジンも備えているため、仮にバッテリー残量がゼロになってもガソリンによって走行が継続することができる。つまりガソリンさえあれば、バッテリー残量に縛られない走行が可能となるのだ。

また、チャージモードを使えば、ガソリンの消費は多めとなるものの、充電しながらの走行も可能となるのもHEVにはないメリットだ。特にこの機能は、充電設備がないマンション住まいの人にとっても不安なく走行できるという点で大きなプラスとなるだろう。

しかもPHEVは補助金ももらえる。PHEVは2024年度の実績では55万円が支給されていた。エンジンと少し大きいバッテリーも搭載していることから、車両価格はHEVよりも高くなるが、中古車での価格が崩れていない状況を踏まえれば結果としてお得になる可能性は高い。一台しかクルマが持てず、なおかつ長距離走行も踏まえるならPHEVの選択を考慮に入れてもいいと思う。

レギュラーガソリン車

HONDA ZR-VHONDA ZR-V

【メリット】初期費用が安価(200~300万円程度)。メンテナンスも比較的簡単。
【デメリット】燃料費が高く、特に長距離運転ではコストがかさむ。

パワーユニットを内燃機関となるエンジンだけしたことで、バッテリーはヘッドライトやウインカーを動作するための12Vの補機バッテリーのみ。高価なリチウムイオンバッテリーを搭載しないこともあって、車両価格はおのずと安くなる。その意味でレギュラーガソリン車はICEとしてももっとも購入しやすいタイプとなるだろう。

一方でエンジンを搭載していることで、エンジンや変速機に対するオイルの定期交換は欠かせず、それに伴うオイルフィルターやエアフィルターといった消耗品代もかさんでくる。その意味ではメンテナンス費用はBEVよりも負担は大きいと考えたい。

レギュラーガソリン車は構造的にもシンプルなので、車両重量が軽く、その分だけ燃費が良くなる傾向にある。特にコンパクトカーや軽自動車などでは有利に働き、中には30km/Lを可能とするクルマも登場しているほどだ。

とはいえ、昨今のガソリン代高騰は費用負担が大きくなっており、走れば走るほど燃料費はかさむ状況が生まれ、今後もBEVとの差は開く一方だ。

ハイオクガソリン車

NISSAN GT-RNISSAN GT-R

【メリット】高出力エンジンにより走行性能が高い。
【デメリット】ハイオク燃料は価格が高い。

オクタン価の高いハイオクガソリンを使うことで高出力を実現しているため、走行性能で高い性能を発揮するクルマが多い。スポーティな走行を謳うクルマはほとんどがこのハイオクガソリン車で、欧州車では大半がハイオク車となっている。また、ハイオクはレギュラーよりも10円強高く設定されており、その意味では走行コストの割高感は否めない。

レギュラーガソリン車同様に、エンジンや変速で使っているオイルの定期交換は欠かせず、しかも高出力化に伴ってエンジンの回転を上げて走れば、当然ながら油脂類の劣化や消費が進みやすくなる。さらに、ブレーキへの負荷がかかる走りをすればブレーキパッドの摩耗も早くなり、トータルで考えるとハイオク車の維持費用はかさむと見ていいだろう。

ただ、ハイオク車であっても、アクセルワークを上手にコントロールすることで燃費を向上させることはできる。

ディーゼル車

MAZDA CX-60MAZDA CX-60

【メリット】燃費性能が良く、長距離運転に最適。軽油価格が安い。
【デメリット】初期費用がやや高め。ディーゼルエンジンのメンテナンスが必要。

燃料に軽油を使うのがディーゼル車だ。軽油はガソリンに比べて20円以上安いことがほとんどだ。これは軽油の精製工程が短いことから製造コストが安く済むことや、課税される税金がガソリンよりも安いことがその理由だ。

ディーゼルエンジンは低速域でのトルクが太くなる傾向にあり、そのためアクセルをそれほど踏まなくても十分なパワーが稼げる。これにより、長い距離を走れば走るほど燃費面で優位になるのがディーゼルの特長と言えるだろう。

ただ、ディーゼルエンジンは使っているうちに、燃料やオイルが燃えて残ったススが発生するため、これを除去しないとエンジンの機能低下を引き起こす。そのため、定期的なクリーニングは欠かせない。さらにディーゼルエンジン車はガソリン車よりも高価であることが多く、距離を走らないとディーゼルエンジンのメリットは発揮できないと考えたい。

●環境性能とエコ意識

環境問題が叫ばれる中、車の環境性能は重要な選択基準である。

EV(電気自動車)

NISSAN サクラNISSAN サクラ

【メリット】走行時にCO2を排出しない。再生可能エネルギーで充電すればさらにエコである。
【デメリット】電力の供給源が化石燃料だと環境負荷が増加する。

バッテリーに蓄電した電力を使い、電動モーターで走るBEVは、走行中だけに限ればCO2を一切発生しない。そのため、仮に太陽光パネルや風力といった再生可能エネルギーや、原子力エネルギーによって電力が賄えれば、BEVはCO2を発生しないまま、走行できる究極のエコモビリティとなることができる。

しかし、現実は再生可能エネルギーだけで電力を賄うことは難しく、原子力についても稼働率を踏まえれば、モビリティ用だけに用途を充てることは難しい。したがって、大半が化石燃料によって発電された電力を使う状況になっているのが現状で、ここに環境負荷に対する難しさがあるのだ。

さらにバッテリーの製造工程でもCO2発生はあるわけで、大容量のバッテリーを搭載することはその分だけ環境負荷は大きくなることは知っておきたい。

PHEV(プラグインハイブリッド車)

TOYOTA プリウスTOYOTA プリウス

【メリット】短距離ではほぼゼロエミッションでの走行が可能。
【デメリット】長距離運転ではガソリン消費が増えるため、CO2排出量が増える。

PHEVは充電機能を備えたハイブリッド車だけに、電動モーターで走行するに足りる少し大きめのバッテリーを搭載する。そのため、モーターで走行できる距離は一般的なハイブリッド車(HEV)よりも長く、その間はBEVと同じくゼロエミッションで走行することができる。

一方で、長距離走行してバッテリー残量が減ってきたり、強い負荷をかけるような走りをするとエンジンが作動し、その時点から内燃機関によるCO2排出が始まる。また、エンジンと電動モーターを組み合わせているために、その製造時の環境負荷は小さくはない。ただ、バッテリー容量はBEVに比べて小さいことから、バッテリー製造時の環境負荷についてはBEVよりも小さいとも言える。

ガソリン車(レギュラー・ハイオク)

SUZUKI スペーシア ベースSUZUKI スペーシア ベース

【メリット】クルマの進化と共に燃費が非常に良くなっている。
【デメリット】CO2排出量が多く、環境負荷が高い。

一般にガソリンエンジン車は燃費で不利と言われがちだが、近年は熱効率を高める技術が進み、従来よりも燃費は大幅に向上。HEVであれば30km/Lを超える車種も数多く存在し、軽自動車に至っては単なるレシプロエンジンにもかかわらず、HEVに匹敵する燃費を稼いでいる車種も少なくない。燃費が良ければ、当然環境負荷も小さくなり、ガソリンエンジン車が必ずしも環境負荷が大きいとは言えなくなっている。

ただ、ガソリンエンジン車の中にはパワー重視のハイオク車もあり、エンジンのトルクバンドを捉えた走りをすればトルクフルな走りができる一方で、燃費はグンと落ちてしまう。ガソリン車を含む内燃機関車の場合は、こうした走り方によって燃費が左右され、それがCO2排出に影響を与えることは知っておきたい。

ディーゼル車

MITSUBISHI デリカD:5MITSUBISHI デリカD:5

【メリット】燃費効率が高いため、相対的にCO2排出量が少ない。
【デメリット】NOx(窒素酸化物)排出が課題である。

ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べて燃料効率に優れるため、同じ距離を走行しても消費する燃料は少なくて済み、その分だけ排出するCO2も軽減される。つまり、CO2という面に限れば、ガソリンエンジン車よりも環境負荷は小さいことになる。

しかし、ディーゼルエンジンの場合、自然着火に頼るために燃焼にムラが発生しやすく、それが黒煙や粒状物質(PM)の発生要因となり、エンジン内部に窒素が増えてそれが窒素化合物(NOx)を多く発生してきた。しかし、燃料噴射をコントロールする「コモンレール」や、触媒装置の進化によってこれらの排出を抑える仕組みが一般化し、今では“クリーンディーゼル”として普及が進んでいる。

●走行性能と用途別の適性

車の使い方によって求められる性能は異なる。それぞれの車種がどのような用途に向いているかを見ていく。

EV(電気自動車)

NISSAN アリアNISSAN アリア

【メリット】静音性が高く、都市部での走行に最適。
【デメリット】航続距離が短く、車種によっては長距離運転に不向きな場合がある。

電動モーターで走るBEVは、走行時にインバーターの作動音はするものの、ほぼ無音で走ることができる。しかもフロアに高い剛性が与えられたフレーム内にバッテリーが収まっていることが幸いして、絶対に避けられないロードノイズでさえも低めに感じるのだ。この静寂性はガソリン車では得られない大きなメリットと言える。

加えてBEVは、スタート直後からトルクがフルに出力されるため、アクセルを軽く踏んだだけでも力強い加速感が得られる。その加速力は、ちょっとしたスポーツカー並みで、この加速を体感したら、その気持ちよさにほとんどの人が後戻りできないはずだ。

一方で航続距離はバッテリーの容量次第となる。そのため、航続距離の長さを求めれば高価なバッテリーを搭載することとなり、それは車両価格に反映される。航続距離500km超えを求めれば、最低でも600万円以上の出費は覚悟すべきだろう。

さらに出掛けた先で充電を行うとなれば、現状では急速充電で30分かけても十分な蓄電が得られることはほとんどない。そのため、満充電で往復できる範囲内ならいいが、それを超える距離を走れば充電のためのスケジュールをあらかじめ組んでおくことは必須となる。

PHEV(プラグインハイブリッド車)

TOYOTA クラウンスポーツTOYOTA クラウンスポーツ

【メリット】長距離運転にも対応可能。充電できない場合でもガソリンで走行可能。
【デメリット】充電が無い状態で走ると車重があるために燃費が悪くなる場合がある

BEVとHEVのいいとこ取りをしたのがPHEV最大のメリットだ。バッテリー残量がある時はBEVと同等の静粛性と加速力が味わえ、バッテリー残量がなくなってもガソリンさえあればHEVとして走行できる。ガソリンなら給油時間も短く済むため、出掛けた先で充電時間を無駄に過ごす必要もない。しかも、チャージモードにすれば走行しながら充電もできてしまう。

しかし、メンテナンスという点では、エンジンと電動駆動系の両方が対象となるため、その費用がHEV並みにかさむのは避けられない。また、FF車となった場合、フロントにエンジンや電動駆動系が集中するため、フロントヘビーな走りになることも知っておこう。

ガソリン車(レギュラー・ハイオク)

NISSAN フェアレディZNISSAN フェアレディZ

【メリット】燃料補給が容易で、どこでも走れる。
【デメリット】燃費性能が低い車種も存在する。

ガソリン車を含む内燃機関エンジン搭載車が持つ最大のメリットは、燃料補給のしやすさにある。全国には給油所が約2万軒あるといわれ、満タン給油してもたいていの場合、5分前後で終了する。急速充電で30分かけても満充電にならないBEVとは桁違いの扱いやすさだ。

最近は燃焼効率向上により、ガソリン車が必ずしも“燃費が悪い”とは言えなくなっているが、それでも家庭で充電するBEVと比較すると、ガソリン車の走行コストは倍近くになる。また、メンテナンスで定期交換すべき油脂類が多いのもデメリットになるだろう。

ディーゼル車

TOYOTA ランドクルーザー250TOYOTA ランドクルーザー250

【メリット】高トルクで重い荷物の運搬や山道での走行に強い。
【デメリット】エンジン音が大きい。

ディーゼル車の場合も燃料補給は5分前後で行えるため、全国2万軒ほどあるガソリンスタンドを活用して楽に長距離移動が行える。また、ガソリン車よりも燃料消費は少なめで、それだけに長距離走行には有利となる。また、エンジンの特性上、トルクの出方が低速域中心となるため、特に街乗りではアクセルを軽く踏むだけで楽に走れ、この低速トルクは山道などの悪路走行でも遺憾なく発揮される。

ディーゼルエンジン特有の自己着火による「ディーゼルノック」が発生することから、一般的にはノイズの面では不利とされてきたが、近年はそうしたノイズはかなり減少している。ただ、高圧縮で自己着火させる対策としてエンジンそのものを頑丈に作る必要があり、これがガソリンエンジンよりも重量増となる要因ともなっている。

●インフラと長期的な展望

車の性能だけでなく、インフラや将来的な展望も重要な検討要素である。

EV(電気自動車)

SUBARU ソルテラSUBARU ソルテラ

【メリット】充電インフラが急速に整備されつつある。
【デメリット】地方ではまだ充電スポットが不足している。

これまでBEVを使って最大のネックと考えられてきたのが、充電スポットの少なさだった。しかし、経済産業省は2030年までに現在の約3万口(うち急速充電9000口超)を、約10倍の約30万口(急速充電)約3万口)にまで拡大する計画。さらに、急速充電器の出力も上がっていく見込みで、高速道路での新規分は90kWh以上を実現していくとされている。この整備が終わればより効率的な充電が可能となり、充電回数も減っていくことだろう。

ただ、充電スポットの稼働率という課題は残る。というのも、高速道路や観光地などでの稼働率は高いものの、地方や山間部での急速充電器は低いままという状況がある。これまで急速充電器は国や自治体の補助金で設置されてきたが、稼働率が低いとそのメンテナンス費用や受電費用を賄うことさえ容易ではない。それ故、充電器の更新時期に合わせて提供を中止する施設も増えているのだ。

このバランスをどう補っていくのかが、今後の充電インフラ整備の大きなカギと言えるだろう。

PHEV(プラグインハイブリッド車)

TOYOTA アルファードTOYOTA アルファード

【メリット】EVとガソリンの両方が使えるため、インフラ不足の影響が少ない。
【デメリット】現時点で大きなデメリットは無し

バッテリー残量が減っても、ガソリンが残っている限りは継続して走れるのがPHEV最大のメリットだ。そのため、充電スポットが混雑していても、ガソリンを給油すればHEVとしてそのまま走っていける。その意味では充電インフラに左右されない電動車として価値はあると言えるだろう。

また、PHEVにはV2H(Vehicle to Home)に対応した車種もあり、これを使えばPHEVが災害時の給電システムとして役立つ。しかもBEVとは違って、ガソリンさえあればバッテリー残量がなくなっても給電が継続できるメリットもある。ただ、近年はPHEVの充電口が普通充電にしか対応できていない車種が一部で増えており、その場合はパワーコネクターによるコンセントでの給電のみとなる。

ガソリン車(レギュラー・ハイオク)

DAIHATSU タフトDAIHATSU タフト

【メリット】ガソリンスタンドが全国にあり、インフラの心配が不要。
【デメリット】将来的に規制が厳しくなる可能性がある。

全国にあるガソリンスタンドは2万軒あまり。地方では後継者問題から少しずつ減ってきていると言われるものの、それでもその数はいつでも給油できる安心感につながっている。特にガソリンスタンドは高速道路と一般道を問わずまんべんなく営業しており、ここが高速道路偏重の充電インフラと大きく異なる点だ。

もちろん、自動車の電動化が進んでいくに従い、スタンドにも充電設備が増えていく可能性は高いが、それでもガソリンを給油できるインフラが急激に減っていくとは考えにくい。普及率が高い軽自動車は車両価格の問題もあって、ガソリン車として生き残っていく可能性が高いからだ。

とはいえ、今後への課題は、政府が発表した「2050年カーボンニュートラル宣言」だ。現状のまま化石燃料を使い続けると、ガソリン車を含めた内燃機関車は乗れなくなる可能性がある。これを回避するためには合成燃料や植物由来の燃料を開発していく必要がある。ガソリン車の行く末はこうした開発がどこまで進むかにかかっていると言えるだろう。

ディーゼル車

TOYOTA ハイエースTOYOTA ハイエース

【メリット】長距離運転に適した燃料効率。
【デメリット】環境規制が強化され、利用しづらくなる可能性がある。

ガソリン車に比べてディーゼル車は2~3割程度、燃費の点で有利と言われている。それはディーゼル車の燃料効率がガソリン車よりも高いからだ。特に長距離走行ではこのメリットが遺憾なく発揮され、大型トラックがディーゼルエンジンとしているのもここに理由がある。

エンジンの特性上、低回転で最大トルクを発生するため、扱いやすいのもディーゼルエンジンならではの特徴だ。最近はターボチャージャーを組み合わせるのが一般的で、これにより最高出力とトルクを同時にアップさせることが可能となる。さらにターボによって空気が大量に押し込まれるために、酸素濃度が高まって黒煙の減少にもつながっている。

ただ、ガソリン車と同様に化石燃料を使う現状のままでは、「2050年カーボンニュートラル宣言」に叶わなくなり、いずれ乗れなくなってしまう可能性が出てくる。内燃機関が生き残るためには、合成燃料や植物由来の燃料の開発は急務になっていると言わざるを得ない。

●まとめ

今、多くのモビリティが登場する中で、着実に裾野を広げているのがBEVをはじめとする電動車だ。現状では実現できていない再生可能エネルギーへの転換が完全に実現すれば、BEVは目標としているカーボンニュートラルに最も近い位置にいるからだ。世間ではBEVの伸びが世界的に踊り場に来ていると言われてはいるものの、その環境整備は徐々に進んでいくのは確実と見られ、それに伴って電動化の流れは今後も進んでいくのは確実と見て間違いないだろう。

あとはモビリティの電動化にあたり、その使い勝手をどう高めていくかは今もっとも解決すべき課題でもある。充電インフラの整備は単純に数を増やしていくだけでなく、高速道路一般道での偏りをなくす必要があるし、充電時間の短縮や待ち時間の快適性の追求は電動車の普及のために避けて通れない道筋だ。また、蓄電した電力をクルマだけでなく社会のインフラとして互いに融通し合える整備も重要になっていくだろう。

とはいえ、航続距離を伸ばすことだけに重きを置いて、一台が多くのバッテリーを積むことは環境負荷を鑑みれば決してプラスとはならない。必要十分なバッテリー容量で車両を開発していくことも今後は重要になっていくのではないか。また、内燃機関エンジン車にしても、今後の合成燃料など環境負荷の低い燃料の開発が行われていけばこの先も生き延びていく可能性は十分ある。必ずしも電動車一辺倒になる必要はないと思うのだ。

まさに適材適所で、それぞれのニーズに合わせたモビリティの普及が今もっとも求められているのだ。

《会田肇》

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