「ハーレーファンも唸る」リーズナブルなカスタムの選択肢に注目…東京モーターサイクルショー2025

プロトのリグニス・カスタムコンプリート「フリスコスタイル」(東京モーターサイクルショー2025)
プロトのリグニス・カスタムコンプリート「フリスコスタイル」(東京モーターサイクルショー2025)全 7 枚

通常のオートバイと比較すれば、見るからにハードなカスタム。そのままの形で購入できるとは、到底思えない。「東京モーターサイクルショー2025」にて異彩を放っていたのが、「プロト」のブースに展示されていたカスタムハーレーだ。

きっとこうしたバイクは、カスタムビルダーにオーダーを入れたら、自分だけの1台に仕上がってくるまで、しばらくの期間を要し、出来上がるまでの時間を楽しみにしつつ待つのだろう。

しかし、一般的なオートバイと同じように、「これをください」と購入できるようにしたのが、プロト・リグニスがリリースするカスタムコンプリートだ。

アメリカ・サンフランシスコの「フリスコチョッパーズ」にて発祥したと言われる“フリスコスタイル”に仕上げられた車体は、ハーレーダビッドソンのソフテイルモデルがベースで、90年代後半のエボリューションVツインエンジンが搭載される。

排気量1340ccのエボリューションエンジンを心臓部とする。排気量1340ccのエボリューションエンジンを心臓部とする。

現行より2世代前のパワーユニットとなるエボリューションは心地よい排気音や力強い鼓動感が魅力である一方で、生産終了から20年以上が経過し、故障やメンテナンス等、所有するにあたって不安要素が多いのも否めない。そこでプロトでは、直営店であるリグニスにてハーレー中古車をベースに各部をオーバーホール。

幅の狭いナローフォークをはじめ、トリプルツリー等フリスコスタイル専用設計のオリジナルパーツでトータルコーディネイトし、カスタムコンプリートバイクとして製作・販売している。

リグニスのスタッフ“あむ”さんによれば、プロトカスタムコンプリート「フリスコスタイル」の価格は269万5000円~(税込み)で、カラーやシートなど細部をオーダー時に自分好みのものに選ぶことができるという。

プロトのリグニス・カスタムコンプリート「フリスコスタイル」(東京モーターサイクルショー2025)プロトのリグニス・カスタムコンプリート「フリスコスタイル」(東京モーターサイクルショー2025)

つまり、カスタムファンらが好きなシルエットの根幹を先ず手に入れ、そこから細部を仕上げていき、人とは違う愛車を手に入れることができるのだ。

「発表以来人気を博し、さまざまなカラーオーダーが入り、オーナーそれぞれが個性を演出して楽しんでいます」と、“あむ”さんは言う。また、コンディションに優れるエボリューションエンジンを心臓部にしていることも、人気の秘訣だと教えてくれた。

6か月保障で、ロードサービス付き。アフターサービスも万全を期している。

250ccカスタムにも注目集まった

サンダーモーターサイクル250とガルちゃん。サンダーモーターサイクル250とガルちゃん。

フォロワー数9万人にも迫る人気インフルエンサー「ガルちゃん」が妖艶な着物姿でブースに立つと、ファンが一斉にスマホを構えて、なんとか写真に収めようとしている。

船舶一級、大型二輪免許を持ち、挑戦者/冒険家としてアクティブに活動し、熱視線を浴びるクールビューティはさまざまなメディアで活躍だ。

サンダーモーターサイクル「ソフテイルサンダー250」サンダーモーターサイクル「ソフテイルサンダー250」

そんな彼女によく似合うのが、サンダーモーターサイクルズ。じつにセンスよくまとまったカスタムスタイルは、ハーレーダビッドソンのカスタムビルダーとして知られ、イベントでも数多くのアワードを獲得している車坂下(くるまざかした)モトサイクルの野呂裕二氏によるものだと分かれば納得がいく。

74スプリンガーフォークと呼ばれるオールドハーレーに由来するフロントサスペンションをセットしたオリジナルフレームに搭載されるエンジンは、排気量250ccの空冷Vツイン。今回の展示車両はリヤショックを隠し持つ「ソフテイルサンダー250」(税込み99万6000円)で、リジッドフレームモデルの「ハードテイルサンダー250」(税込み93万5000円)も展開している。

カスタムシーンで人気を博すコンパクトな燃料タンク。カスタムシーンで人気を博すコンパクトな燃料タンク。

小ぶりなフューエルタンク(容量7リットル)といい、太くヴィンテージムード溢れる前後タイヤ(5.0-16)に、フェンダーとのクリアランスが極めて狭いシルエット、ソロサドルシートやテールエンドでループを描くパイプワークなど、目の肥えたファンが唸るディテールを実現。

空冷2気筒エンジンを心臓部とする。空冷2気筒エンジンを心臓部とする。

生産は2021年に中国に立ち上げた自社工場にて行われ、品質面や工程を厳しく徹底管理。長年生産された日本製機種をルーツにしたV型2気筒エンジンは信頼性も高く、消耗品やオプションパーツは国内にて在庫している。

「ソフテイルサンダー250」と「ハードテイルサンダー250」、いずれも税込み90万円台の車両価格とし、幅広い層のライダーから受注が入ると、野呂氏は教えてくれる。

憧れのカスタムスタイルも、比較的リーズナブルで手軽に入手できることが東京モーターサイクルショー2025の展示を見ればわかってきた。これらをベースに、自分だけの1台をつくり上げていくのも楽しいだろう。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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