ドイツ自工会、米国の追加関税に警鐘「世界貿易秩序からの離脱を意味」

BMWグループの米国サウスカロライナ州スパータンバーグ工場(参考)
BMWグループの米国サウスカロライナ州スパータンバーグ工場(参考)全 4 枚

ドイツ自動車工業会(VDA)のヒルデガルト・ミュラー会長は、トランプ米国大統領が発表した新たな相互関税パッケージについて、「世界貿易秩序からの離脱を意味する」として強い懸念を表明した。

米国で生産されるドイツ車

ミュラー会長は、この措置が「ルールに基づくグローバル貿易秩序からの離脱」であり、「世界の多くの地域における価値創造、成長、繁栄の基盤からの離脱」だと指摘。「これはアメリカ・ファーストではなく、アメリカ・アローンだ」と批判した。

新たな関税パッケージは、消費者や企業に悪影響を及ぼす可能性がある。特に米国の消費者は、インフレ上昇や製品選択の減少を通じて直接的な影響を受けるとミュラー会長は警告している。

自動車産業にとっては、4月3日から乗用車、小型商用車、特定の自動車部品に25%の関税が課された。この措置が世界経済の成長に悪影響を与え、雇用にも影響を及ぼす可能性があるという。

ミュラー会長は、ドイツの自動車産業が米国内に2000以上の拠点を持ち、約13万8000人を雇用していることを挙げ、米国の価値連鎖と深く結びついていることを強調した。

EUに対しては、団結して行動し、交渉の意思を示しつつも、自信を持って全ての選択肢を検討するよう求めた。また、自由貿易協定の締結を加速させ、世界中の多くの地域と具体的な成果を上げる必要があるとしている。

ミュラー会長は、新たなドイツ連邦政府に対し、国際競争力回復のためのリーダーシップを発揮し、エネルギー価格、税金、関税、官僚主義の削減など、広範な改革を行うよう求めている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型取締機JMA-520/401に対応、セルスターが一体型コンパクトレーダー探知機「AR-225A」を発売
  2. 【スバル クロストレック S:HEV 新型試乗】ストロングハイブリッドになっちゃって大丈夫なの?…岩貞るみこ
  3. 「さよなら50cc」歴史に敬意を込めたホンダ公式「50ccバイク」ロゴTシャツ発売
  4. ヤマハ発動機が新型3輪オープンカー、「AIで成長する」2輪車を世界初公開! 大型EVバイクなど16モデルずらり…ジャパンモビリティショー2025
  5. 【メルセデスベンツ GLCクーペ 新型試乗】最も売れたベンツ、その走りは「気持ちに訴えかける味わい」だった…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る