F1並の空力性能で「物理法則の限界に挑む」、BMWが高性能テスト車両公開…上海モーターショー2025

BMW『Vision Driving Experience』(上海モーターショー2025)
BMW『Vision Driving Experience』(上海モーターショー2025)全 5 枚

BMWは、23日に開幕する「上海モーターショー2025」のプレビューイベントにおいて、高性能EVコンセプト『Vision Driving Experience(ビジョン・ドライビング・エクスペリエンス)』を初公開した。

BMW『Vision Driving Experience』

この車両は、次世代EVを示唆する『Vision Neue Klasse(ビジョン・ノイエ・クラッセ)』をベースに開発されたものだ。

Vision Driving Experienceの中核となるのは、「Heart of Joy」と呼ばれる高速制御コンピューターだ。このシステムは、BMW Dynamic Performance Controlソフトウェアと連携して、全ての走行ダイナミクス機能を中央で計算する。今回の展示では、量産モデルとは異なり、このHeart of Joyがセンターコンソールに露出した状態で披露された。

BMWによると、Vision Driving Experienceは物理法則の限界に挑戦するために特別に設計されたという。最大トルクは1万8000Nmに達し、「世界最速のテストリグ」と呼ばれるこの車両は、BMWが独自に開発したHeart of JoyとBMW Dynamic Performance Controlの究極の耐久テストとなるという。

アクティブエアロダイナミクスにより、このドライビングマシンは最大1.2tのダウンフォースと最大3Gの横Gを発生させる。これはF1に匹敵する性能であり、一般的な道路交通車両の要求をはるかに超えている。

Heart of Joyは、ノイエ・クラッセの新しい機能アーキテクチャーにおいて、走行、制動、回生充電、一部のステアリング機能を担う中央コンピューターだ。高速な情報処理と電気モーターの直接制御により、より少ないシステム介入で新レベルの俊敏性と走行安定性を実現するだけでなく、制動操作の98%を回生ブレーキで行うことを可能にする。これは現在のアーキテクチャーと比較して25%の効率向上を意味する。

上海モーターショー2025のために、Vision Driving Experienceには革新的な蛍光塗装が施された。この特殊な光感応性顔料を含む塗料は、わずかな光でも充電され、暗闇では充電状態に応じて白っぽい黄色から鮮やかなネオンイエローまで色が変化する。さらに、車両後部には「マジックフィルム」が取り付けられており、紫外線の刺激により、車両後部から前部にかけて黄色からオレンジ、ピンクへのグラデーションを生み出す。

BMWは、年末からハンガリーのデブレツェン工場で最初の全電動ノイエ・クラッセ車両の生産を開始する予定だ。新レベルの精度と走行ダイナミクスを保証するHeart of Joy中央コンピューターは、全てのノイエ・クラッセ車両に標準装備される。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 三菱『エクリプス クロス』新型、航続600kmのEVに…ルノーからOEM供給へ
  3. 一人乗りマイクロEV「EQV-TREK」発売、355kgの軽量ボディで航続110km…107万8000円から
  4. 空冷ポルシェで1台2億円!? マニア垂涎『シンガー911 DLS』とは
  5. メルセデスベンツ、3年間で40車種以上投入へ…次期『Cクラス』は2026年春生産開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る