ホンダ『モンキー』のファンイベント「第17回 モンキーミーティング in 多摩」が4月27日、東京サマーランド駐車場の特設会場で開催。同イベント過去最大級となるおよそ550台超ものモンキーや兄弟車の『ゴリラ』などが全国から集まり、老若男女のオーナー同士交流を深めた。
ホンダモンキーは、1967年から販売が続く歴史のある超小型バイクで、2009年に閉園した遊園地「多摩テック」の遊具として1961年に誕生したバイクの市販モデルという異色の出自をもつ。ハンドルを折りたたむことで四輪車のトランクにも搭載できるコンパクトさで、60年代当時のレジャーブームに乗っかり人気を博した。

幼児用自転車並みのサイズや可愛らしいデザイン、シンプルな構造によるカスタマイズ性の高さ、長い歴史の中で登場したさまざまな特別仕様車などから、今もファンからの人気は根強い。当初は単気筒50ccエンジンを搭載していたが、2017年に排出ガス規制に対応せず生産終了、現在は2018年に登場した125ccモデルが継続して販売されている。
「おもちゃみたいなものを50年近く作り続けたのがホンダの文化であり、日本の二輪文化。これを継承しようということで始めた」と運営事務局の代表をつとめる中島好雄さんは話す。当初は、モンキー生誕の地である多摩テックで開催したが、閉園後は同じ多摩地域にある東京サマーランドでの開催を継続、今回で17回目を迎えた。
これだけの規模でありながら、主催はホンダではなく中島さんによる「個人イベント」なのが大きな特徴だ。中島さんは同じホンダの『スーパーカブ』イベント「カフェカブ」も全国で主催しており、ファンに広く知られている。

今では九州で開催される「カフェカブ九州」の運営にはホンダの製作所や研究所のスタッフがボランティアで参加しているそうだ。今回のモンキーミーティングでも、ホンダモーターサイクルジャパンが試乗会イベントを併催しているが、あくまで主催は中島さん。「全部自腹でやっている。その方が、好きにできるでしょ」と中島さんは笑う。
「やっぱり皆さん、好きで乗ってらっしゃるでしょ。バイクに興味のない方でも、見て可愛いって思ってもらえる。こういう雰囲気を大事にしたい。バイクミーティングは参加している人だけが楽しむんじゃなくて、周辺の人たちにも楽しんでもらわなきゃダメ。二輪文化の啓蒙というのが一番の目的なんです」

その二輪文化の啓蒙として中島さんが力を入れるのが、イベント内の特設ステージででおこなわれるトークショー「バイクフォーラム」だ。今年はホンダテクニカル カレッジ関東校の学生たちが登壇し、燃費を競うレース「Honda エコマイレッジチャレンジ」での取り組みや、バイオ燃料の可能性について語った。50ccのエンジンを搭載した特別な車両で、1リットルあたりの燃費性能を競う。40年以上続くこのレースでの最高記録は2011年の3644.869km/リットル。今年のレースに向けては、「現在は3ケタ後半がやっと。今年は4ケタ(1000km/リットル)以上を目指したい」と話すと、会場からは拍手が上がった。
前回からさらに参加台数を増やした今回のモンキーミーティング。大阪や静岡、新潟、青森などさまざまな地域のナンバープレートが並ぶが、さらに遠方では九州からの参加者も増えているという。「おかげさまで会場が手狭になってきた」と話す中島さんだが、今後についても「まだまだ増やしていきたい。増やしていかなきゃいけない。やめちゃったらあっという間に(文化が)なくなりますから。やっぱりユーザーを大事にしないと」と展望を語った。

第17回 モンキーミーティング in 多摩では参加者が選ぶモンキーミーティングコンテストの表彰式やライブパフォーマンスもおこなわれ、来場者は色とりどりのモンキーとともに熱い一日を楽しんだ。