キャデラックの新型『セレスティック』、130以上の部品を最先端3Dプリント技術で生産

キャデラックの新型EVセダン『セレスティック』に最先端3Dプリント技術導入
キャデラックの新型EVセダン『セレスティック』に最先端3Dプリント技術導入全 5 枚

GMが、3Dプリント技術を試作品段階から量産車へと進化させる取り組みを本格化させている。その先駆けとなるのが、キャデラックの新型EVセダン『CELESTIQ(セレスティック)』だ。

CELESTIQは、ハンドメイドで製造される高級電気セダンだ。GMは数十年にわたり、アディティブマニュファクチャリング(3Dプリント)を機能的な部品プロトタイプの作成に活用し、エンジニアリングの俊敏性を高め、車両開発時間を短縮してきた。CELESTIQではその技術をさらに進化させ、130以上の部品が3Dプリント技術によって製造されている。

特筆すべきは、CELESTIQのステアリングホイールセンターだ。これはGMが現在までに製造した中で最大の3Dプリント金属生産部品となる。このトリムベゼル部品はステアリングホイールの前面を覆い、スイッチを囲んでスタイリッシュな仕上がりを実現している。

キャデラックの新型EVセダン『セレスティック』に最先端3Dプリント技術導入キャデラックの新型EVセダン『セレスティック』に最先端3Dプリント技術導入

この部品は、金属レーザーパウダーベッドフュージョン技術を使用して作られた数少ない量産部品の一つでもある。この種のアディティブマニュファクチャリングは、レーザーを使用して金属の層を融合させ、従来の製造プロセスでは不可能な形状の耐久性のある部品を作り出す。

CELESTIQはまた、GMの初めての3Dプリント金属安全部品であるシートベルト調整可能ガイドループも採用している。この部品は2024年、金属粉末産業連盟から自動車の電気自動車カテゴリーの金属AM部品として優秀賞を受賞した。

GMは他の量産車にも3Dプリント部品を使用している。キャデラックの「Vシリーズ」の「ブラックウィング」モデルは、マニュアルシフトノブの独自のメダリオンを含む3Dプリント部品を搭載したGM初の量産車だった。アディティブマニュファクチャリングは、キャデラックレーシングチームを含むGMモータースポーツ車両全体でも活用されている。

キャデラックの新型EVセダン『セレスティック』に最先端3Dプリント技術導入キャデラックの新型EVセダン『セレスティック』に最先端3Dプリント技術導入

GMのアディティブマニュファクチャリングに関する取り組みは、ミシガン州ウォーレンのテックセンターキャンパスにあるアディティブインダストリアライゼーションセンター(AIC)を拠点としている。2020年12月に開設されたこの約1400平方mの施設には、ポリマーと金属の両方の材料を印刷するために使用される20台以上の機械が設置されている。

CELESTIQの3Dプリント部品のほとんどは、窓のスイッチ、グラブハンドル、コンソールの装飾、表面下の構造部品など、最初にAICで開発された後、生産のためにサプライベースと連携している。GM製品の中で最も多くのアディティブマニュファクチャリング部品を集中させたCELESTIQは、市場で最もカスタマイズされた車両の一つとなっている。

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《森脇稔》

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