回生ブレーキって? アルプス1000mの下りでモナコ1周分の充電に成功…フォーミュラE

フォーミュラE「マウンテン・リチャージ」 (c) Formula E
フォーミュラE「マウンテン・リチャージ」 (c) Formula E全 11 枚

フォーミュラEでも用いられているEVの回生ブレーキ。減速時にモーターを発電機として活用し、運動エネルギーを駆動用バッテリーに戻す仕組みだ。フォーミュラEでは、1000mの峠道を下り、モナコ市街地サーキット1周分の電力を回生するチャレンジに成功した。

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電動フォーミュラカーによるレース「ABB FIAフォーミュラE世界選手権」を運営するフォーミュラEは、次世代試験車両「GENBETA」(ジェンベータ)を用いた電動パフォーマンス試験「マウンテン・リチャージ」を、グーグルクラウドとの共同プロジェクトで実施し、結果を公開している。

GENBETAは、フランス・アルプスのコル・ド・ブロー峠から標高差1000mをフリーホイールモード(惰性走行)で下り、重力由来の回生エネルギーのみでモナコ市街地サーキット1周3.337km分の電力を獲得した。フォーミュラEレースが開催されるモナコ市街地サーキットを1周するのに充分な電力量は、1.6~2.0kWh。ちなみに約60台のGoogle Pixel 9 Pro XLをフル充電できる電力量だ。

車両は起動するのに必要な最小限の電力のみ搭載してスタートし、元マセラティMSGレーシング代表で現フォーミュラEテストドライバーのジェームズ・ロシターが走行を担当した。回生性能だけでなく、テクニカルな山道における車両の性能とドライビングのスキルも求められた。

フォーミュラEのドライバーは、満充電でスタートしても完走に必要なエネルギーの少なくとも40%を回生で生成する必要があるという。GENBETAはレースモードで最大600kW(前輪250kW+後輪350kW)の回生能力を発揮し、減速する力が加速する力に匹敵することを証明した。

この試験はフォーミュラEとGoogle Cloud(グーグルクラウド)の共同プロジェクトだ。Google AI StudioのGemini APIでブレーキポイントや重力影響などを解析し、エネルギー回生の最適化を図り、モナコを完走できるのか可能性を検証した。走行時にはBigQueryでリアルタイムテレメトリーデータを収集・分析した。

ABB FIAフォーミュラE世界選手権は、世界初の電気自動車によるFIA世界選手権で、カーボンニュートラル認証を受けた唯一のスポーツだ。世界有数の都市の市街地でレースを展開し、自動車メーカーの電動技術革新を加速するプラットフォームを提供している。フォーミュラEはモナコ戦が5月3日に開催され、東京戦が5月17、18日に開催予定だ。

《高木啓》

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