いすゞ自動車は5月14日、2025年3月期(2024年度)連結決算を発表した。損益では、価格対応・円安影響によるプラスを、海外市場の台数減・資材費などの上昇によるマイナスが上回り、減益。販売台数は、国内向けCVは増、海外向けCVは減、LCVは減、グローバル合計でマイナスとなった。
●2025年3月期の経営成績
売上高は3兆2080億8400万円(前期比5.3%減)となった。内訳は国内が1兆2414億円(同11.9%増)、海外が1兆9667億円(同13.7%減)である。
営業利益は2291億0900万円(同21.8%減)、経常利益は2482億3100万円(同20.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1343億6300万円(同23.8%減)となった。価格対応や円安の追い風があったものの、海外市場の販売台数減少や資材費上昇が響いた。
●経営成績の概況
グローバル販売台数は52万4637台(前期比21.3%減)となった。日本国内向けCV(商用車=トラック・バス)はフルモデルチェンジ商品が好調で7万7467台(同23.1%増)を販売した。なお2月に公表した台数からは、期末に集中した車両の登録業務の進捗が想定を下回ったこともあり、台数減となっている。
国内の全需は普通トラック、小型トラック共に増加した。いすゞのシェアは普通トラック、小型トラック共に増加し、いすゞブランドとして過去最高を記録した。
●タイのLCV販売台数が大幅減
海外向けは、前期のバックオーダー解消需要が落ち着いた北米・欧州を中心に、台数減となった。2万6085台(10.7%)減少した21万8220台。
LCV(ピックアップトラックおよび派生車)は、タイ国内向け・輸出向け共に厳しい市況に加え、タイ国内での販売サイド在庫調整を実施したため、22万8950台(同36.3%減)となった。タイ全需は19万4000台(同31%減)にとどまり、直近10年の平均と比べても半分程度の水準となっている。