キャデラックは、新型の電動SUV『ビスティック(VISTIQ)」の詳細を発表した。3列シートを備えた電気SUVで、ブランドの象徴的モデル『エスカレード』のデザインを継承しながら、最新技術を搭載している。
VISTIQは615hpのパワーと650ポンドフィート(約881Nm)のトルクを発生する電気モーターを搭載し、標準装備の四輪駆動システムにより瞬時の加速を実現。キャデラックの推定によると、「ベロシティマックス」モード使用時のゼロから時速96km(60マイル)までの加速は約3.7秒とされている。

航続距離は、米国環境保護庁(EPA)の推定で満充電時に約490km(305マイル)を実現。GMの最先端ドライブユニット技術を採用し、分割されたモーター磁石とシリコンカーバイドインバーターによりエネルギー損失を最小限に抑え、電力伝達を最大化している。
VISTIQは走行中だけでなく停車中も活躍する。オプションの19.2kW GM Energy PowerShiftホーム充電器と車両と家庭連携キットを組み合わせることで、停電時に適切に装備された家庭に予備電力を供給することが可能だ。また、すべてのVISTIQには、理想的な家庭充電設定を支援するGMエネルギーアドバイザーとの無料相談が含まれている。
運転支援技術面では、「スーパークルーズ」が強化され、Googleマップとの統合により対応道路での走行時に選択したルートに合わせて適切な車線へ誘導する機能が追加された。また、ハンズオン機能も新たに追加され、ステアリングホイールに手を置いたままでも車線中央を維持し、前方車両の速度に適応する。さらに、スーパークルーズ対応道路に到達すると、ステアリングホイールのライトバーが緑色に変わり、ハンズフリー運転が自動的に作動する。

VISTIQはキャデラック初の拡張現実ヘッドアップディスプレイを搭載。フロントガラスに鮮やかなフルカラーの視覚情報を投影し、接近する車両や歩行者を強調表示したり、前方の道路に誘導矢印を重ねたり、電話通知で接続を維持したりする。このシステムは、Envisics社のホログラフィック技術を活用し、奥行き知覚を最適化して状況認識を向上させるよう設計されている。
車内には33インチの大型タッチスクリーンを装備し、情報とエンターテイメントの没入型環境を創出。OnStar接続により、駐車中や充電中に映画のストリーミング、ゲームのプレイ、ウェブの閲覧が可能だ。Google Chrome、GameSnacks、Max、Amazon Prime Videoなどの新しいアプリにより、ダッシュボードがマルチメディアスペースに変わり、既存のサブスクリプションとシームレスに統合される。