英国のMGが開発した未来型コンセプトカー『EXE181』が、世界で最も権威あるデザイン賞の一つとされるiF Design Awardを受賞した。このコンセプトカーは2024年、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで開催されたMGの創立100周年記念イベントで主役を務めたモデルだ。
iF Design Awardは世界最大級のデザインコンペティションで、毎年約70か国から1万1000件を超える応募がある。EXE181はSAIC Design Advanced Londonのアドバンスドデザインディレクター、カール・ゴッサム氏とロンドンのアドバンスドデザインスタジオのチームによって構想・制作された。

EXE181は1950年代後半に「轟音を立てる雨滴」と呼ばれたMGの陸上速度記録車「EX181」へのオマージュとして設計された。当時のEX181は英国のレース界の伝説スターリング・モスが1957年に時速246マイル(約396km/h)を記録。その2年後にはアメリカのフィル・ヒルが時速257マイル(約414km/h)という記録を達成している。
ゴッサム氏とそのチームは、化石燃料とピストンではなく、電力とローターで推進される未来の速度記録挑戦車を構想。初代MGの特徴的なデザイン要素を巧みに残しながら、革新的な解釈を加えた。

iF Design Awardによれば、EXE181は「スタイル、革新性、効率性の研究であり、MGの次の章を象徴する作品」と評価されている。同じデザインチームはマリルボーンを拠点に、高い評価を受けている電動オープンカー『サイバースター』の開発でも主導的役割を果たした。
さらに、SAIC MotorのR&D革新本部が開発した「Rising OS Intelligent Cockpit System」もユーザーエクスペリエンス部門でiF Design Awardを受賞。このシステムは高度なアルゴリズムを用いて、ドライバーと乗客により詳細なカスタマイズを提供し、安全性、快適性、個人の運転嗜好をサポートする。