チューニングパーツメーカー・HKSから、トヨタ『GRカローラ』用および『GRヤリス』用の「トランスファーオイルクーラーキット」が新発売。税込み価格はいずれも23万8700円。販売開始はGRヤリス用が5月26日より、GRカローラ用は7月28日より。
GRカローラとGRヤリスに搭載されている4WDシステムでは、サーキットなどの高負荷連続走行時にトランスファーオイル温度が上昇しやすい特性がある。そのため、トランスファーオイル温度の異常な高温化を防ぐ目的で2WD化になる「トランスファー保護制御」が採用されている。

HKSのトランスファーオイルクーラーキットは、この問題に着目して開発された。トランスファーオイルの冷却を確実に行いつつ、エンジン冷却水やエンジンオイル、インタークーラー冷却性能への影響がないよう専用のパイプタイプのクーラーを採用している。クーラーを固定するブラケットは冷却風の流れを阻害しないよう前面投影面積が最小となる設計となっている。
オイルポンプはHKS自社製を採用し、高負荷対応・高流量タイプとなっている。専用のポンプコントローラーも設定され、油温が低温時(高粘度時)に作動させてしまった場合でも過電流保護制御によりポンプを待機状態にし、油温が適温になると自動で作動を開始する。
また、トランスファー保護制御キャンセルプログラム搭載車両においては、キャンセルプログラムを有効化(2WD化をキャンセル)することが可能になり、サーキットで連続走行を行っても2WDになることがなくなる。ただし、キャンセルプログラムを有効化させた場合はメーカーの保証外となる点に注意。

同社試験では、GRカローラでトランスファーオイルクーラー装着状態と未装着状態を比較したところ、装着状態では約125度で油温上昇が落ち着いたのに対し、未装着状態では約150度まで上昇した。これにより、さらに周回を継続した場合の装着による温度差は約80度に達すると見込まれた。GRヤリスでも同様の試験を行い、約50度の温度差が確認されている。
なお、GRカローラ・GRヤリスは年式などにより、トランスファー保護制御の搭載状況に違いがある。キャンセルプログラムを搭載しているのは、GRカローラが2025年3月~(国内仕様)/2024年9月~(北米仕様)、GRヤリスが2025年4月~(国内仕様)となっている。2020年9月~2020年12月の車両はトランスファー保護制御キャンセルプログラムが採用されていないため、HKSトランスファーオイルクーラーキットによるキャンセルプログラムの有効化は使用できない。