パナソニックオートモーティブシステムズは6月3日、都内で事業計画説明会を開催した。永易正吏社長は「事業の選択と集中を進め、4~5年内に株式上場を目指したい」と述べ、経営のスピードが上がってきているという。
同社は2024年12月にパナソニックホールディングス(HD)から米投資ファンドのアポロ・グローバル・マネジメントのグループ会社が経営に携わる会社に売却された。現在、アポロが80%、パナソニックHDが20%、それぞれ株式を保有する。
「私たちの目指す姿として、世界一の居心地デザインカンパニーを策定した。安心安全はもちろんのこと、移動体験に価値をもたらす居心地をデザインしていく。くらしや人に寄り添ったノウハウや技術を車載事業に展開していく」と永易社長は話し、コックピット周りのインフォテイメントシステム事業と、車内空間全体をデザインするモビリティUX事業に磨きをかけていくという。
というのも、クルマの知能化によって、クルマが単なる移動手段からユーザーと対話できるパートナーへと変わりつつあるからだ。「クルマの差別化ポイントは従来のいわゆる走る、曲がる、止まるといった走行性能から変化していきいる。移動時の体験価値へのニーズや快適な車内空間を求めるニーズが高まって、いわゆるUX価値の向上が新たな差別ポイントとなっている」と永易社長は説明する。
そこでパナオートでは、今まで培ってきた技術を生かして、インフォテイメントシステム領域と車内空間で心地よい移動を作り出すことを目指す。例えばインフォテイメントでは、コックピット統合ソリューションの開発に力を入れ、クルマのSDV化を見据えた次世代インフォテイメント機器を展開していく。