【スズキ ジムニーシエラ 新型試乗】「ノマド」にも期待が高まる、実に楽しいクルマ…島崎七生人

スズキ・ジムニー シエラJC
スズキ・ジムニー シエラJC全 18 枚

先ごろ“『ジムニーノマド』増産開始”のニュースリリースがスズキから出された。マルチ・スズキ・インディア社での現地生産を、この7月から月間約3300台に増やすとのこと。

言うまでもないが受注停止の状態が解消され、納車待ちのユーザーの手元に1日でも早く実車が届くようになれば、それに越したことはない。ところでそんなタイミングで奇遇にも(?)、『ジムニーシエラ』に試乗していた。

スズキ・ジムニー シエラJCスズキ・ジムニー シエラJC

ちなみに写真の中に1点、ミディアムグレーのシエラのカットがあるが、これは2018年7月に今のジムニーが登場した際の試乗会での撮影カット(レスポンスでレポートもしている。【スズキ ジムニーシエラ 新型試乗】軽ジムニーへのアドバンテージは見た目以上にある)。こうして見較べると2018年と今とでは車検証の貼り付け位置とタイヤの銘柄(当時はBS DUELER H/T 684 II)に差異がある程度で、改めてほぼほぼ変わらないクルマであることがわかる。

今回の試乗車はハイビジビリティカラーのキネティックイエロー/ブラック2トーンルーフで、LEDヘッドランプ、アルミホイール(変わらず秀逸なデザイン!)とLEDサイドターンランプ付きドアミラーなどを装着するところから「JC」グレードとわかるクルマだった。

◆+130mmのトレッド幅による安定感と、絶妙な回頭性

スズキ・ジムニー シエラJCスズキ・ジムニー シエラJC

で、暫く振りに試乗したジムニーシエラだが、改めて「実に楽しいクルマ」だと思った。身内の『フロンクス』を始め、ここ最近すっかり今どきのSUVに身体が馴染んでいるハズで、さぞヘビーデューティ感を実感させられるのでは?と心の準備をしていたのだが、実際にはまったくそんなことはなかった。

むしろ本格クロカンの体を成していながら、街乗りでも十分に快適。快適の部分をもう少し分解しておくと、ラダーフレームと組み合わせられたボディ剛性の高さと、それによる走行中の不快なノイズ、振動の小ささなどは、未だまったく色褪せてない部分。

スズキ・ジムニー シエラJCスズキ・ジムニー シエラJC

当然、乗り心地についても、軽の『ジムニー』に対してトレッドが130mm幅広いことによる安定感は実感するところだし、2250mmのトレッドとバランスした、オンロードでのこのクルマの絶妙に気持ちのいい回頭性、しっかりと重みと手応えを残したステアリングの操舵感も嬉しいところだ。

今回はトランスファーレバーをグイッ!と切り替えてのオフロードの試乗はしない範囲だったが、筆者の個人的な印象としては、まるで欧州A、Bセグメントのコンパクトカーの面持ちで乗れるクルマだ……と改めて実感した次第。

◆ジムニーノマドに期待が高まる

スズキ・ジムニー シエラJCスズキ・ジムニー シエラJC

年間で数10台の試乗をこなす我が家の乗り心地・NVH評価担当の柴犬シュンも、まったくヒョコヒョコした乗り心地ではないところにいたく感心したらしく(!)、試乗後、写真のような満面の笑みを浮かべていたほど。

1.5リットルのDOHC 16バルブVVTエンジンも扱いやすく、絶対性能も十二分だから、同乗者(この場合は犬のシュン)に不快感をおぼえさせずにスムースな加減速ができ、人が歩くような低速で段差を乗り越える際も、意のままにパワーコントロールができる。

実は筆者はまだジムニーノマドの実車には接する機会を持てておらず、果たしてどんな仕上がりぶりか認識できていないのだが、期待をもっているのはもちろんのことだ。

スズキ・ジムニー シエラJCスズキ・ジムニー シエラJC

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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