制限高さ1.85mの低いガード、元は道路ではなかった?…南千住~北千住

桁下1.85m、千住(ガード)開きょ
桁下1.85m、千住(ガード)開きょ全 11 枚

刻んできたーッ。低いガードの桁下制限高さの表示はふつう0.1m(10cm)ずつ上下するが、東京都足立区千住東1丁目にある「千住(ガード)開きょ」の表示は「1.85M」と、5cmで刻んできた。北千住駅の南方、JR常磐線、つくばエクスプレス、東京メトロ日比谷線が上を通る。

道路そばに立つ交通標識は「1.8m」だ。構造物に掲示された1.85mがほぼ実際の桁下高さで、交通標識の1.8mが通行可能な車両の高さとなっている。近隣の標識には「1.85m」も見られるようだ。いずれにせよ車体が跳ねたり揺れたりするとルーフや荷物が桁下にぶつかる可能性があるので、制限高さに近い数字の車は徐行されたい。道幅も狭くて見通しは悪く、交差する路地もあるので、その意味からも徐行は必要だ。

線路は南北に通っており、ガード東側と鉄道用地が千住東1丁目、西側が千住仲町だ。アプローチは都道461号・墨堤通りの千住関屋町交差点からが近い。墨堤通り東行きから左折、いっぽう西行きからは右折だが、右折レーンがないので注意。千住関屋町交差点から数えて3つ目、折れてからは2つ目の交差点を左折して直進すればガードだ。付近は駐車禁止なので車を止めて観察するときは他の車の通行に気をつけよう。コインパーキングは徒歩5~10分圏内に複数ある。公共交通機関だと北千住駅が最寄り。

桁下1.85m、千住(ガード)開きょ。建築物の銘板は「千住架道橋」で、2000前後にはすでに水路はなかったことがわかる桁下1.85m、千住(ガード)開きょ。建築物の銘板は「千住架道橋」で、2000前後にはすでに水路はなかったことがわかる

ガードの名前に「開きょ」(開渠)とあるので、かつて線路は水路を跨いでいたことがわかる。水路は埋め立てられたか暗渠になり、今は道路しかない。地図を見ると付近の街並みとそろわない細い道がガードから北東へ続いており、水路跡だろう。この道筋は東武伊勢崎線を低いガードでくぐっており、そちらのガードも水路由来ということになる。古い地図ではこの道筋は田んぼの中の畦道のような表記だったが、水路沿いの道だったことがわかった。


千住(ガード)開きょから約300mほど南にも低いガードがある。最近改修されたようで、ガード名の表記は付近に見られなかった。制限高さの交通標識は1.9mだが、2.0mだったのが上書きされている。道路には車止めのポールが建てられており、現在は自動車が進入できないので、標識は荷車や自転車に対する警告となっている。ガード東側と鉄道用地が千住関屋町、西側が千住河原町になる。

常磐線のもうひと駅東京寄り、三河島~南千住間にも低いガードがある。荒川区南千住2丁目の「第3三の輪ガード」がそれで、国道4号の大きなガードのすぐ東側の、生活道路のガード。線路は東西に、道路は南北に通る。制限高さは2.0mと“低いガード”としては平凡な数字だが、ガード北口から見ると馬蹄形断面の煉瓦造りのトンネルになっている。南側は後年追加された線路の、四角いありきたりのガードだ。

桁下2.0m、第3三の輪ガード桁下2.0m、第3三の輪ガード

■低いガード
タクシーは頭上注意! 桁下1.7mの低いガード…東武線・牛田付近
https://response.jp/article/2025/04/03/394005.html

《高木啓》

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