単体サブウーファー選びで、スペックのチェックは必要?[サウンドユニット・選択のキモ…サブウーファー編]

「単体サブウーファー」の一例(フォーカル・SUB 25 KXE)。
「単体サブウーファー」の一例(フォーカル・SUB 25 KXE)。全 3 枚

愛車の音響システムのアップグレードを実行しようと思ったときの、製品選びの指針を公開している当連載。現在は「サブウーファー」選びのポイントを解説している。今回は「単体サブウーファー」を選ぶ際の「スペック」のチェック方法を説明していく。

◆まずは「価格帯」を絞り込み、次いでは「口径」と「タイプ」を吟味して…

さて、単体サブウーファーとは、サブウーファーユニットが裸の状態で売られているものを指す。これを使おうとする際には、ボックスと外部のパワーアンプを別途用意する必要があるため、導入のハードルは高くなる。しかし、それらにどんなものを使うかで鳴り方が変わるため、その点を思案するのも楽しみの一つとなるがゆえに、愛好家の多くはあえてこれを使っている。

というわけで、ニーズが高いため、さまざまなメーカーがいろいろなモデルをリリースしており、単体サブウーファーは他の「サブウーファー」以上に選び甲斐がある。そして、目移りもしやすい……。

というわけで、多くの候補の中からマイベストを選ぶ方法を順を追って説明している。ここまでは、まず狙うべき価格帯を見極めた後に、「口径」と「タイプの違い」を吟味すべきだと述べてきた。

そして、それに次いで、スペックをチェックしておくべきだ。

「単体サブウーファー」の一例(フォーカル・SUB 25 KXS)。「単体サブウーファー」の一例(フォーカル・SUB 25 KXS)。

◆「スペック」で全てを決めつけるのはNG! しかし、性能の一端は知れる

ただし、スペックはあくまでも参考程度にとどめたい。というのも、音響機器の選定において重要なのは、「どんな音がするのか」だ。そこのところは、実際に聴いてみないと分からない。

とはいえスペックを見ることで性能の一端を知れることもまた事実だ。具体的に、どのスペックから何を知ることができるかを説明していこう。

まずは、「瞬間最大入力」と「定格入力」から。これらは、その単体サブウーファーの“タフさ”を示すスペックだ。単位には「W(ワット)」が使われる。なお、「W」が使われることもあり、「どれだけ大きな音を出せるか」というスペックだと思われがちだが、そうではない。

瞬間最大入力は瞬間的に入力されてもその単体サブウーファーが壊れない電力量を示し、定格入力は連続的に入力されても壊れない電力量を示している。つまり、「許容入力電力量」ということだ。

これらの2つは異なるスペックだ。したがって、複数の製品を比べるときに混同しないよう注意しよう。

「単体サブウーファー」の一例(フォーカル・SUB 30 KXE)。「単体サブウーファー」の一例(フォーカル・SUB 30 KXE)。

◆「再生周波数帯域」は低く広い方が良い。とはいえ、音質の良し悪しとは別問題!

続いては、「再生周波数帯域」について説明しよう。これは、その単体サブウーファーが実用上で再生できる音域を表すスペックだ。単位には「Hz(ヘルツ)」が使われる。

なお、単体サブウーファーは超低音を再生するユニットなので、人間の可聴帯域の下限である20Hzまで再生できる方が良く、その上で広い範囲を再生できるモデルの方が高性能だと判断できる。

とはいえ、再生できる範囲の音の質までは推し量れない。そのため、このスペックも参考程度に見れば良いだろう。

もう一つ、「出力音圧レベル」についても説明しよう。これは、1Wの電気信号を入力したときの音量を1メートル離れた場所で測定した数値であり、単位には「dB(デシベル)」が使われる。数字が大きいほど、大きな音を出せるモデルだと判断できる。

そのため、体の芯に響く重低音を鳴らしたい場合には、このスペックが大きいモデルが有利だ。しかし、音の質についてはまた別の話である。その点も念頭に置いておきたい。

今回は以上だ。次回はスペック以外のチェックポイントについて説明していく。乞うご期待。

《太田祥三》

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