ルネサス エレクトロニクスは、高耐圧650Vの窒化ガリウム(GaN)パワー半導体の新製品を発売し、量産を開始した。
新製品は、新たなプロセス「第4世代プラス(Gen IV Plus)」を採用している。従来の第4世代(Gen IV)と比較して、ダイサイズを14%低減し、オン抵抗を30mΩまで低減したことにより、電力効率を向上させている。
新製品は、EV充電システム、AIサーバ、UPS(無停電電源)装置、蓄電システム、太陽光発電インバータなどの1kW~10kWクラスの電源システムに適している。3種類のパッケージ製品、TOLT「TP65H030G4PRS」、TO-247「TP65H030G4PWS」、TOLL「TP65H030G4PQS」を用意しており、いずれも放熱性に優れていることから、基板レイアウトを柔軟に最適化できる。
新製品は、ルネサスが2024年6月に買収したTransphorm社の実績あるSuperGaN技術を活用している。SuperGaNは、高耐圧のD-mode GaNと低耐圧のSi MOSFETを直列に接続したカスコード構造を活用している。この構造によりE-modeで必要とされる専用ドライバを使う必要がなく、Si MOSFETを駆動するための標準的なドライバで容易に駆動できる。