フェラーリが新型2+2クーペ、V8搭載のグランドツアラー『アマルフィ』を発表[詳細画像]

フェラーリ・アマルフィ
フェラーリ・アマルフィ全 26 枚

フェラーリは7月1日、2+2クーペの新型、『アマルフィ』を発表した。フロントミッドシップに搭載されたV8ツインターボエンジンを特徴とし、『ローマ』の後継車として位置づけられる。フェラーリは「アマルフィは現代のグランドツアラーの概念を進化させた」と謳う。

[V8搭載の新型2+2クーペ]

デザインでは流麗でミニマルなアプローチが取られ、彫刻的なボリュームとクリーンな面構成により、ダイナミズムと現代性を表現した。フロントには大型のエアインテークが配され、長いボンネットの下に最高出力640psを発揮するツインターボV8エンジンを搭載する。リアでは一体型の可動式スポイラーが高速域での安定性を支え、鍛造ホイールやカーボンファイバーのディテールがスポーティで洗練された外観を演出する。

スタイリング面では、チェントロ・ステイーレ・フェラーリのフラヴィオ・マンゾーニ率いるチームが、ローマのエレガントなプロポーションを進化させ、アマルフィではより彫刻的で現代的なフォルムを追求した。フロントでは伝統的なグリルを廃し、ボディ同色のフローティングウイングと暗色のバンドを採用している。テールはシンプルかつコンパクトにまとめられ、幅広のディフューザーが空力性能を主張する。

インテリアは新設計のステアリングホイールにボタンと象徴的なスタートボタンを採用し、ドライバーと助手席を包み込むデュアルコクピット構造を備える。センターディスプレイと人間工学に基づいた操作系により、スポーツ走行時でも直感的な操作が可能だ。後部座席も用意された2+2のシートレイアウトで、荷室容量の拡大や子供連れでの移動時など、ローマと比べて実用性が向上しているという。

室内はドライバーと助手席を視覚的に結ぶ一体感のあるデザインとされ、素材にはカーボンファイバーやアルミが多用されている。センタートンネルはアルマイト処理されたアルミの塊から削り出され、シフトゲートや充電パッドなどを収めている。オプションのコンフォートシートは3サイズが用意され、10個のエアチャンバーによるマッサージ機能やシートベンチレーションを備える。さらに、オプションのブルメスター製オーディオシステムは14スピーカーと1200ワットの出力で高音質を実現する。

空力面ではCFD解析と風洞実験を行ない、全てのディテールに機能を持たせる造形を追求した。フロントおよびリアのホイール前後に整流フェアリングを配置し、2つのボルテックスジェネレーターとディフューザーがダウンフォースと冷却とを両立させる。リアディフューザーは効率とダウンフォースを最適化し、センターチャネルの気流を制御する。リアスポイラーは走行状況に応じて自動制御され、ドラッグ(抵抗)を抑えながら高い安定性を提供するという。

搭載されるV8エンジンは、各種受賞歴を持つ「F154」系をベースに新たなターボ制御を組み合わせ、640psを実現した。8速デュアルクラッチトランスミッションにより、0-100km/hを3.3秒、0-200km/hを9.0秒で加速する。パワーウェイトレシオは2.29kg/hpで、このクラス最高の性能が期待できる。

《高木啓》

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