自分流にカスタムするのが楽しいスズキ『ジムニー』という存在。相棒とも言える愛車をより楽しく快適にするためのパーツが数多く揃っているのも魅力なクルマだ。今回は志向が大きく異なる魅力あふれる2台のジムニーをご紹介、車内のエンタメ性能を大幅にアップする「carrozzeria」(カロッツェリア)と、走りはもちろん乗り心地を最適化する『HKS』のデモカーを紹介する。
ジムニーに最適なオーディオブランド「カロッツェリア」の魅力

専用パーツや対応パーツを数多く擁するジムニー/ジムニーシエラ/ジムニーノマド、外装から足まわり、インテリアパーツまでの全カテゴリーに魅力的なパーツが多数揃っている。その中で注目したのは車内エンタメのグレードアップに役立つジムニー向けのパーツ群で、そんなパーツをまとめてラインアップしているのがここで紹介するのがパイオニア「カロッツェリア」だ。カーナビ、スピーカー、スピーカー取付けキットなど専用&適合パーツをラインアップ、ジムニーを快適&高音質にする魅力のアイテムが揃っている。
楽ナビがすごい!9インチの大画面&使いやすくて高性能を実現

真っ先に注目したいのは「楽ナビ」(AVIC-RQ722-DC)。ジムニーの2DINスペースに適合するフィッティングキットを用意し、インダッシュタイプの9インチ大画面をスマートに取付けることができる。大画面は地図の見やすさ、メニュー画面のタッチ操作の使い勝手の良さ、映像の迫力などが格段に優れているのが魅力だ。さらに同モデルにはネットワークスティックが同梱され、通信機能によってカーナビ機能の利便性やオンラインコンテンツを楽しめるエンタメ性が高いのが特徴。
さらに、そのネットワークスティックはドコモの車内向けインターネット接続サービス「docomo in Car Connect」を利用できる。なんと1年間の無償利用権がついていて、車内でWi-Fi使い放題!(2年目以降は定額プランへの申し込みが必要)音楽ストリーミングやネット動画などもスマホの通信容量に気兼ねすることなく利用することができる。また地図の自動更新や、目的地をオンラインでサーバーに接続して行うことができる(お出かけ検索/オンライン)ので、カーナビに収録されていない最新スポットの検索も可能になるのも嬉しい機能だろう。
さらに2025年5月に発売した最新の楽ナビはApple Car Play、Android Autoに対応!スマホのアプリをそのまま楽ナビの大きな画面で利用でき、操作もタッチ画面を使って行えるのがいたって便利。使いやすいカーナビの代表とされる楽ナビがスマホと融合するのは、ある意味大きなトピックスだ。 ちなみに他にもジムニーに装着可能なメインユニットとして、高音質モデルであるサイバーナビやスマートフォンを連携するディスプレイオーディオなど、自分に合ったものを選べるのもカロッツェリアならでは。
専用取付キット&スピーカー&サブウーファーで車内のサウンドが大激変

また楽ナビのもうひとつの大きな注目点となるのはオーディオ面。調整機能としてイコライザーをはじめタイムアライメントやクロスオーバーなどを搭載。好みに合わせた調整ができることで、躍動的なサウンド、目の前に演奏者が見えるようなリアルな音場にコントロールできるのもカロッツェリアならでは。ジムニーでドライブミュージックを楽しむ上では音の良さは常に体感することなのであらためて注目してみよう。

サウンド面にはさまざまな拡張性があるのだが、そのひとつとしてカロッツェリアが用意するスピーカーとジムニー専用の取付けキットに注目したい。ジムニーは独特な薄型のドア形状(通常は13cmスピーカーしか取付けできない)を持ち、さらに純正ではツイーターを備えていないため、音が足元にこもりがちというのがウィークポイントだ。
そこでカロッツェリアではフロントドアに専用の「スピーカー取付けキット」(UD-K124)を用いて、16cm口径のスピーカー取付けを可能にした。さらにツイーターをスマートに取付けるためにドアミラー裏に設置できる専用の「ツイーター取付けキット」(UD-K301)を用意。ジムニーを手軽に高音質化させるアイテムがそろっていて、少し知識があればスピーカー交換は自分でできるのでチャレンジするのもよいだろう。
満足度の高いジムニー専用パーツ、車種別専用設計がありがたい

デモカーのフロントスピーカーには、カロッツェリアの中核モデルとなる2ウェイセパレートモデル「TS-C1640S」が取付けられていた。カロッツェリアのサウンドは“原音再生”が基本。音楽をありのままに再生するという点ではCシリーズは、クリアで華やかさを備えたサウンドは、スピーカーをグレードアップしたことを強く感じさせるモデル。

さらに助手席シート下には、コンパクトなサブウーファー「TS-WX400DA」をインストール、このユニットは純正では再生されない重低音を鳴らすことで、低域はもちろん中高域までを含めて音の厚みを増強する。もちろんサブウーファーを組み込むのは好みもあるが、躍動感やリアルさを大幅グレードアップして車内サウンドを心地良く改善したい人にはおすすめしたい。ジムニーの車内を臨場感いっぱいの音楽で溢れさせることができる、カロッツェリアのスピーカーは満足感が格段に高い。
その他にもカロッツェリアにはドライブレコーダー、バックカメラも用意、ジムニーの利便性をさらにアップさせるパーツをまとめて導入するには絶好のブランドになっている。ここまで見てきた通り、カロッツェリアにはジムニーに最適な専用&適合パーツ群が揃っているので、愛車で走る楽しさが増す“エンタメカスタム”をしてみてはいかがだろうか。
最強エンタメ!パイオニア『ジムニー』向けラインナップの詳細はこちら快適ストリート&ワインディングも楽しめる!HKSのジムニーは走りが違う

国内最大の総合チューニングパーツメーカーであるHKS。幅広い車種に向けたチューニングパーツをリリースしている。今回はそんなHKSが手掛けたジムニー(JB64W)の仕上がりをレポートする。
HKSではこれまでジムニー用ではマフラーなどの排気系パーツをリリースしていたが、それほど幅広くパーツをラインアップしてきたことはない。だがJB64Wにおいてはマフラー、スポーツキャタライザー、サスペンション、そしてパワーアップ可能な電子パーツと幅広いラインアップを持っている。
JB64Wは『アルトワークス』(HA36S)に搭載されているR06Aエンジンを使用。パワーとその拡張性に定評あるユニットだけに、HKSとしてはアルトワークスのノウハウをふまえて、ジムニーをもっと楽しめるエンジン制御系パーツも用意しているのだ。
サイド出しマフラーがインパクト抜群!排気・吸気・制御系で進化するジムニー

デモカーの見た目で目立っているのがサイド出しのマフラー。こちらは「リーガマックス トレイルマスター」という製品だ。ワイルドな助手席側のサイド出しレイアウトは印象的。その美しい仕上がりもあって強い個性を主張する。
アメ車のようなレイアウトだけにさぞかしワイルドなサウンドかと思うと、そこはさすがリーガマックスシリーズ。ジェントルで伸びのある心地よいサウンドがアイドリングから感じられる。エンジンを回しても決してうるさくなることはなく、大人なサウンドで気持ちよさを引き立ててくれる。
その手前には「メタルキャタライザー」も装着される。純正の第2触媒を外すことでエンジンパワーの伸びとトルクを引き出す。もちろん保安基準適合。パイプ径は純正のΦ43からΦ45に拡大。さらに第1触媒で十分に排気ガスを浄化できる高品質な触媒ユニットを使うことで第2触媒をなくし、純正比-35%の低排圧を実現している。

吸気側ではムキ出しエアクリーナーフィルターの「スーパーパワーフロー」とアルミパイピングを組み合わせた「レーシングサクション」をラインアップ。フレッシュエアーを吸い込みやすいように、フィルターは進行方向にセットしている。もともとR06Aエンジンは、ブローバイガスにオイルが混ざりやすい。そこで「専用オイルキャッチタンク」もセットで販売。専用品なのでエンジンルーム内にスマートに装着が可能なのも嬉しいポイント。
走りの実力とストリートでの楽しさが見事なまでのマッチング

制御系は2種類の選択肢がある。1つはもっとも手軽な「パワーエディター」。こちらはクルマがモニタリングしているブースト圧の値に修正を加えて実際のブースト圧を変えるタイプ。もう1つはOBDコネクターから、エンジンを制御しているECUのデータを書き換えるタイプの「フラッシュエディター」。

こちらは直接ECUのデータを編集できるので拡張性が高く、ハイレベルなチューニングを施す際には「HKSパワーライター店」で現車合わせができることなどが魅力。出力的にはパワーエディターもフラッシュエディターもどちらを選んでもほとんど差はない。

サスペンションはHKS自社生産の純正形状サスである「ハイパーマックスG+」をチョイス。Gは他車種用にも展開されている純正形状モデルで、車高調整こそできないが乗り心地が良く、しなやかな走りをもたらすサスとしてストリート派から好評のモデル。ジムニー用にG+が用意された。
このG+は純正形状サスながら減衰力調整が可能になったモデルで、通常の車高調モデルと同じく30段階の減衰力調整が備わる。ジムニー用ハイパーマックスの最大のポイントは1インチアップ/-30~-35mmのローダウンモデルの2種類から選べること。今回のデモカーは1インチアップモデルが装着され、20~25mmのリフトアップがされていて、それに合わせた減衰力を設定。好みの車高に合わせて、最適な減衰力を追い込める仕様だ。

今回は市街地とワインディングロードで試乗した。タイヤはヨコハマタイヤ「GEOLANDAR X-AT」(195R16C 104/102Q)を装着し、ホイールは「ADVAN RJ-D2」を組合せる。走り出しから感じるのはそのしっかり感だ。ノーマルは腰高感とそこから来る頭が左右に振られるような感じがあるが、そこが軽減されている。車高が1インチアップされているが、純正よりも左右にフラれる感は少なく好印象。ある程度コーナーを速めに曲がったりしても、終始姿勢が安定している。試乗時の減衰力は30段階調整中の15段戻しだったが、しっかりとロールやピッチング方向のクルマの動きをコントロールされている印象だ。

アクセルを踏み込んでいくと、心地よいサウンドでエンジンが吹けていくが、決してうるさくない。筆者的にはもっと音が大きくてもいいかなと思うくらいだが、伸びのあるサウンドでテンションが高まっていく。しっかりと2速で7,000rpmまで引っ張っていくと伸びのある加速と、パワーエディターによって引き出されたパワーで純正よりも速度が乗っていくが、それでも法定速度内に収まるのが軽自動車の魅力。触媒をスポーツキャタライザー化して1つにまとめることで排気抵抗を抑え、それによってタービンの過給が鋭く始まり、ピックアップの良さを感じさせてくれる。
思い切ってエンジンをブン回して加速感とサウンドを楽しんでも速度超過せず、リーガルな範囲内でレーシーさを楽しめる。そのあたりを見越してインテーク側のサウンドと伸び、エキゾースト側の味付けがされている。
スタイルと走りの両立、HKSが見せる確かなチューニング力に感動する

タイヤはATモデルだけに決してドライグリップが高いものではないが、しっかりと路面と対話していく感触がある。気持ち良いサウンドで加速してから、ブレーキからコーナーに向けてハンドルを切り曲がっていくと、ダンパーが上手くロールスピードを抑えて姿勢を作っていってくれる。しっかりとロールさせながら曲がり、そこからアクセルを踏んでいくとまた伸びのある加速が味わえる。実に公道で楽しくドライビングができる。
もちろんスタイル的にオフロード的なところで遊ぶ準備もできている。しかしながらおすすめはまずは街乗りでその走りを堪能し、普段乗りの移動や通勤もこのジムニーなら楽しく走れる。そんな魅力にあふれた仕様に仕立てる、HKSのチューニング力に感心した。
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