国産ハイエンドブランド「ビーウィズ」の誕生が、カーオーディオを変えた!?[車載用音響機材変遷史]

ビーウィズ・Mirror Media MM-1
ビーウィズ・Mirror Media MM-1全 3 枚

モータリゼーションが成熟していく中で、車内での音楽の聴かれ方も変遷してきた。当コラムでは、その移り変わりを年代を追いながら振り返っている。今回は、2002年に衝撃的なデビューを果たした国産カーオーディオブランド「ビーウィズ」にスポットを当てる。

◆“偏芯コーン”が採用された革新的スピーカーを引っ提げて、堂々登場!

これまでの記事にて振り返ってきたように、1990年代の半ば頃にクルマ好きやカスタムカー好きの間でカーオーディオがブームとなり、そして90年代から2000年代の初頭にかけて、クルマの中での“良い音”の概念が浸透し、それを形にする機材と技術が進化した。

そんな中で、1つの注目すべき国産ハイエンドカーオーディオブランドが産声を上げた。それが今回取り上げる、ビーウィズだ。

ちなみにその頃のカーオーディオシーンを賑わせていたのは、国産大手カーエレクトロニクスブランドと正規輸入されていた有名海外メーカーだったが、そこにカーオーディオを専業とするまったく新しいブランドが殴り込みをかけてきた。2002年の6月のことだった。

そこで同社は名刺代わりに、まったく新しいコンセプトを掲げた高級スピーカー『コンフィデンス』をお披露目した。同モデルにはなんと、世界で唯一となる「オールP.P.C.偏芯コーン方式」が採用されていたのだ。

ビーウィズ・Confidenceビーウィズ・Confidence

◆コーンの中心をオフセットすることで、指向性をコントロール!

ちなみに“偏芯コーン”とは、コーン型の振動板の中心部分が少々オフセットされているというものだ。そうすることで、スピーカーから放たれる音の指向性の制御が可能となる。

その上でコンフィデンスは、大きさこそ違えどツイーターとミッドウーファーの両方を同一素材&同一設計にて作り上げ、高音から低音までの統一感が高められていた。さらにはツイーターのワイドレンジ化も果たされていて、ステレオイメージの再現性も高かった。

こうしてコンフィデンスはカーオーディオ愛好家の間で大きな話題を呼び、ビーウィズの名はまたたく間に知れ渡った。

その後同社は、次々と革新的なユニットをリリースしていく。2002年の12月には18cmサブウーファーを、翌2003年にはパワーアンプやスタンダードスピーカーシリーズ『アキュレート』を、さらにはオーディオレギュレーター(安定化電源)も発売し、ハイエンドカーオーディオ界に新鮮な刺激を与え続けた。

ビーウィズ・Mirror Media MM-1ビーウィズ・Mirror Media MM-1

◆カーオーディオの未来を見据えて新機軸ヘッドユニットも発表!

そして2005年の6月には、まったく新しいカーオーディオ機器も登場させた。それは、リニアPCMプレーヤー『Mirror Media MM-1』だ。

当機は今にして思っても、至って革新的かつ的を射たカーオーディオヘッドユニットだ。当時は楽曲がデータファイルにて保存されたり持ち運びされ始めた頃だが、MM-1ではそれを高音質にて再生でき、また当時はメインユニットを交換しづらい車種が増え始めていたが、MM-1ならそうであっても問題なく使えた。

しかもルームミラーに被せて取り付けられるので、インストールも容易である。これによりビーウィズの存在感はさらに高まり、愛好家からの支持を一層強めた。

同社は以後もさまざまなエポックメイキングなユニットを世に送り出し続け、都度シーンに新風を吹き込んだ。そして現在も、カーオーディオ界を活性化し続けている。

今回は以上だ。次回は2000年代に起こったもう1つの新たな潮流について解説する。乞うご期待。

《太田祥三》

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