フォードモーターは、SUVフォード『ブロンコ』の60周年を記念して、1台限りの「ロードスターコンセプト」を発表した。このコンセプトカーは、1966年に登場した初代ブロンコU13ロードスターにインスパイアされた、レトロなデザインが特徴だ。
1965年8月11日にデビューしたブロンコは「世界初の四輪駆動スポーツカー」として売り出され、オフロード版『マスタング』として開発された。
ロードスターコンセプトの開発チームは「シンプルさを通じた楽しさ」という初代ブロンコの哲学を現代に蘇らせることを目指した。現行の6世代ブロンコをベースに、座席の簡素化、フロアの削減、実用的なリアコンパートメントの採用などを実施。外装では、機械加工されたFifteen52 Analogホイールを採用し、テールゲートを折り畳み式に変更、「FORD」の文字をメタルにスタンプした。

フロントとリアバンパーも初代ブロンコにより近いデザインに変更された。このコンセプトは量産予定はなく、ブロンコの原点への敬意を表したトリビュート作品として位置づけられている。
開発陣は「6世代を初代に変える」というアプローチで、現行ブロンコから要素を削ぎ落とし、初代が持っていた本質的な魅力を再現した。デザイン責任者のトッド・ウィリング氏とポール・レイス氏は「本質的なクールさをいかに作るか」という課題に取り組み、「何を取り除けるか」を常に自問しながら開発を進めた。

このロードスターコンセプトは、オープンエアでの走行体験を重視し、自然との一体感を追求している。馬に乗ったり、急流でカヤックを操ったり、山道をマウンテンバイクで走るような感覚を提供することを目指している。
フォードは今回のコンセプトを通じて、将来に向かう中でも過去を忘れないという姿勢を示し、ブロンコの本来のオフロードミッションを継続していくことを表明している。