「メインユニット」にも高度な「DSP」が搭載された機種がある?[サウンドユニット・選択のキモ…DSP編]

ある程度高性能な「DSP」が搭載された市販メインユニットの一例(パナソニック・CN-F1X10C1D)。
ある程度高性能な「DSP」が搭載された市販メインユニットの一例(パナソニック・CN-F1X10C1D)。全 3 枚

愛車のサウンドシステムのアップグレードに関心を抱くドライバーに向けて、その思いを実行に移そうとするときに役立つ、「製品選択法」をガイドしている当連載。現在は「DSP」の選び方のコツを解説している。今回は、「内蔵DSP」について考察する。

◆愛用の「メインユニット」の使い勝手に不満を抱いているのなら…

現在は、「外付けDSP」の選び方を解説していこうとしているわけなのだが、実は「メインユニット」にも何らかのDSPが搭載されていて、中には高性能なものもある。なのでそのようなメインユニットに交換すれば、外付けDSPは導入しなくてもOKだ。

ただし、近年はメインユニットを換えづらい車種が増えていて、そうであると外付けDSPを導入することでしかシステムの高性能化を図れない。しかしメインユニットを交換できるのであれば、まずはこの手がどうかを検討したい。

なおDSPは高性能な方が良いと思うなら、外付けDSPがアドバンテージを発揮する。外付けDSPはおしなべて高性能だからだ。より詳細なサウンドチューニングを行えて、システム対応力も高い。逆に、DSPの性能はある程度のラインが確保されていれば良く、そして愛用のメインユニットの使い勝手に不満を持っている場合には、いっそメインユニットを交換した方が話が早い。

ある程度高性能な「DSP」が搭載された市販メインユニットの一例(ケンウッド・MDV-M911HDL)。ある程度高性能な「DSP」が搭載された市販メインユニットの一例(ケンウッド・MDV-M911HDL)。

◆愛用のメインユニットの“スマホ連携力”が弱いときには、交換は有効!

例えば愛用のメインユニットがBluetoothに非対応だったり、スマホのミラーリングが行えなかったり、地図データがかなり古くなっていたりする場合には、メインユニットを換えると使い勝手が上がる。または、最新のメインユニットの中にはスペシャルな機能を搭載するモデルもあり、そういった機種が欲しいと思う場合にも換えた方が良いだろう。

で、そのときに問題となるのは、どのようなDSPを搭載している機種を選ぶべきか、だが……。ほとんどの機種が何らかのDSPを搭載しているが、できることに大きな差がある。

おすすめを紹介していこう。まずは、「クロスオーバー」という機能が搭載されたものを選びたい。これが搭載されているとサブウーファーを導入するときに役に立つ。

というのもクロスオーバーとは、音楽信号の帯域分割を行う機能で、これが搭載されているとサブウーファーを導入するときに、サブウーファーとフロントスピーカーのそれぞれに対して再生範囲の振り分けを行える。

ある程度高性能な「DSP」が搭載された市販メインユニットの一例(カロッツェリア・AVIC-RQ722-DC)。ある程度高性能な「DSP」が搭載された市販メインユニットの一例(カロッツェリア・AVIC-RQ722-DC)。

◆クロスオーバーが使えると、サウンドの一体感を出しやすくなる!

これができると、サウンド全体の一体感を上げやすくなる。なぜなら、当機能が搭載されていない場合には、超低音がドアスピーカーとサブウーファーの両方から聴こえてきて、音がダブり、ダブった音がズレて聴こえるため、サウンドの一体感が損なわれるからだ。しかしクロスオーバーを使えばそうはならない。

そして、「タイムアライメント」という機能が搭載されているとさらに良い。当機能は、各スピーカーの発音タイミングを変えられる機能だ。なので当機能が使えると、近くにあるスピーカーほど発音タイミングを遅らせられるので、すぺてのスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を作り出せる。結果、ステレオの仕組みが正しく機能し、サウンドの立体感が向上する。

なお、タイムアライメントは機種によって呼び方が異なる場合があるのでご注意を。アルパインでは「タイムコレクション」と呼び、ケンウッドでは「リスニングポジション調整」と呼んでいる。

今回は以上だ。次回はさらに高性能な「内蔵DSP」を積んでいるメインユニットがあることについて解説していく。乞うご期待。

《太田祥三》

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