三菱自、今期76%減益予想、主力の東南アジアなど販売不振で下方修正[新聞ウォッチ]

タイなどアジアでの三菱の主力車種『エクスパンダー』(写真はエクスパンダークロス)
タイなどアジアでの三菱の主力車種『エクスパンダー』(写真はエクスパンダークロス)全 4 枚

三菱自動車の2026年3月期の連結純利益が従来予想から300億円下方修正し、前期比76%減の100億円にとどまる見通しだという。売上高も従来予想から900億円下ぶれて3%増の2兆8600億円、営業利益は300億円下ぶれして50%減の700億円と見込んでいるようだ。

8月27日に開いた決算の補足説明会で明らかにしたもので、きょうの各紙にも「三菱自、76%割減見通し、26年3月期、米国以外で競争激化」(朝日)などと取り上げている。

それによると、日米両政府の合意で自動車関税の負担は減る一方、米国外での販売競争が激しさを増しており、想定よりも販売にかかる費用が高止まりし、値上げも難しい状況だという。

三菱自動車では、米国への自動車関税が現在の27.5%から15%に引き下げられる時期が「10月以降」になると想定。米国への関税支払額は従来予想から129億円減って385億円に縮小する一方、米国外での販売費の増加などが営業利益を290億円押し下げると見込んでいる。

加藤隆雄社長はオンライン会見で「米国の関税コストを吸収する値上げや販売奨励金の削減を想定通りに実行するのは困難」と述べ、しばらく厳しい状況が続くとみている。

また、下方修正の大きな要因は主力市場の東南アジアや豪州での販売不振とインフレによるコスト増とみられる。日経によると「ベトナムやタイで消費を喚起するために値下げ競争が激しくなり、台数を維持するための販売費がかさむ。こうした米国以外での間接的な関税影響額は100億円から290億円に増える」とも伝えている。

ところで、上場企業には開示基準のルールがあり、業績予想に大きな差がある場合、直ちにその内容を開示することになっているが、三菱自動車が発表したきのう(8月27日)は、5年前の2020年に亡くなった益子修前会長の祥月命日。

三菱商事出身の益子氏は2005年に社長に就任。約15年にも及ぶ在任期間中、EV(電気自動車)の初の量産化やタイを中心とする東南アジアの拠点拡大などに取り組む一方で、リコール隠し問題など度重なる不祥事で存亡の危機に陥った経営の立て直しに奔走。再建の目途が立った時点で19年6月には現社長の加藤氏に引き継いで、持続的な成長戦略を託していた。

2025年8月28日付

●再エネ拡大道険しく、三菱商事洋上風力撤退 (読売・2面)

●転機の二輪(中)成長へインド市場勝負、東南ア輸出の拠点化も (読売・7面)

●三菱自純利益76%減見通し、米国以外で競争激化 (朝日・7面)

●都市対抗野球きょう開幕、よみがえった泥臭さ、Honda熊本常勝の慢心トレーナー指摘の「原点」 (毎日・12面)

●クルマと税金、暫定税率廃止、代替財源確保を要請、知事会など提言(産経・2面)

●ガソリン減税11月暗雲(東京・2面)

●ガソリン2週連続減税値下がり、174円20銭(東京・4面)

●80兆円投資文書を協議、赤沢氏きょう訪米、車関税下げ確約狙う(日経・5面)

●「ジムニーノマド」国内出荷再開 (日経・17面)

●日野自、茨城の工場生産停止延長(日経・17面)

●ホンダ・ウーバー、事故防止で提携 (日経・17面)

●VW社長の兼任解消へ、傘下のポルシェ、独紙報道(日経・19面)

●スズキ、「親子逆転」鮮明、時価総額、インド子会社の半分に(日経・20面)

《福田俊之》

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