三菱自動車工業は、2025年秋に新型『デリカミニ』を発売する。軽スーパーハイトワゴンにSUV的なデザインを盛り込み、価格帯は195万円から295万円と公表されている。日本市場における主要なライバルは、同じくSUV風の仕立てを取り入れたスーパーハイトワゴン群となる。
このカテゴリーでは、従来の軽スーパーハイトワゴンとしての使い勝手に加えて、アウトドアやアクティブなライフスタイルに対応するデザイン性が重要視される。
●ホンダ N-BOX JOY
競合にまず挙げられるのがホンダ『N-BOX JOY』だ。国内販売台数でトップを続けるN-BOXシリーズの派生モデルで、SUV的な装備やデザインを採用する。室内空間の広さとブランド力に加え、SUVらしさを打ち出すことで、デリカミニと同様に幅広い層のユーザーを狙う。

●スズキ スペーシアギア
次にスズキ『スペーシアギア』がある。標準仕様のスペーシアに対して、専用の外装パーツや内装色でアウトドア志向を強調したバリエーションだ。SUVライクな外観は、キャンプやレジャーを楽しむ層に支持されており、デリカミニと顧客層が重なる。
●ダイハツ タントファンクロス
さらにダイハツ『タントファンクロス』も競合だ。スーパーハイトワゴンの定番であるタントにSUV要素を加えたモデルで、専用バンパーや装飾によりクロスオーバー感を演出する。独自の「ミラクルオープンドア」による使い勝手に加え、SUVテイストを持つ点でデリカミニと同じ市場を意識している。

このほか、日産『ルークス』もスーパーハイトワゴン市場で一定の存在感を持つが、SUV的な演出が弱いため、直接的なライバルは上記3モデルが中心とみられる。
三菱デリカミニは「デリカ」シリーズのイメージを軽に落とし込むことで、SUV志向のユーザーに訴求する。競合各社も同様にスーパーハイトにSUV要素を取り入れており、日本市場での顧客獲得競争は一層激しさを増しそうだ。
競合車比較表
三菱デリカミニ新型…約195万~295万円。デリカの世界観を軽に継承。アウトドア志向を重視、SUV風デザイン、力強い外観。
ホンダN-BOX JOY…約174万~247万5000円。国内トップシェア、N-BOXシリーズの派生。SUV的装備や専用デザイン。
スズキ・スペーシアギア…約195万2000~215万7000円。レジャー向け装備を強調した派生モデル。クロスオーバー調デザイン、専用内外装。
ダイハツ・タントファンクロス…約145万2000~210万7000円。独自のミラクルオープンドアを搭載。SUV風の外観演出、専用装備。

◆アウトドア性能と先進装備を強化
新型デリカミニは、SUVテイストをさらに強調したスタイリングと、クラストップレベルの室内空間、最新の運転支援機能やインフォテイメントを備え、軽スーパーハイトワゴン市場での存在感を高める内容となっている。
デザインではアウトドアを意識した。大型化した半円形LEDポジションランプを採用し、親しみやすく力強い表情を演出。前後の「DELICA」ロゴやスキッドプレート、ブラック仕上げのフェンダーでアウトドアイメージを強調した。Aピラーを立てることで広い室内空間を確保し、スクエアでワイドなスタイルを実現している。ボディカラーには新たに「サンドベージュパール」と「デニムブルーパール」が追加された。
室内は上級グレードでベージュ、標準グレードでブラックを基調にし、多彩なシートアレンジを備える。12.3インチのGoogle搭載インフォテイメントシステムと7インチ液晶メーターを一体化したモノリスディスプレイを採用し、先進性と操作性を両立。室内長は従来比115mm拡大され、前方視界や開放感も向上している。

軽自動車として初めて5つのドライブモード(POWER/NORMAL/ECO/GRAVEL/SNOW)を設定。状況に応じて最適な走行性能を発揮する。ショックアブソーバーにはカヤバ製Prosmoothを初採用し、高速道路から未舗装路まで上質な乗り心地を確保した。4WD車ではサスペンションの改良により安定感を高めている。
安全性能も強化された。運転支援機能「三菱e-Assist」には、軽自動車として初めて後側方衝突防止支援システムを採用。さらにレーンチェンジアシスト機能付の後側方車両検知警報や、後退時交差車両検知警報も追加された。衝突被害軽減ブレーキは交差点アシスト機能を備え、歩行者や車両を検知して衝突回避を支援する。
インフォテイメントでは、Googleアシスタントによる音声操作、最新のGoogleマップ、Google Playのアプリ利用が可能となり、10年間無料でサポート。Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応するほか、docomo in Car Connectによる車内Wi-Fi接続も利用できる。
三菱として初の「3Dマルチアラウンドモニター」を採用し、車両周囲を立体的に確認できる。さらにノーズパノラマビューやフロントアンダーフロアビューにより死角を低減する。電動スライドドアはハンズフリー機能や予約ロック機能を備え、荷物を持つシーンでも利便性を高めた。