生まれながら「伝説」となることを運命づけられた『R32 GT-R』というクルマ【懐かしのカーカタログ】

日産 スカイライン GT−R・BNR32型(左)とスカイライン 2000GT−R・KPGC110型(右)当時のカタログ
日産 スカイライン GT−R・BNR32型(左)とスカイライン 2000GT−R・KPGC110型(右)当時のカタログ全 12 枚

1989年5月に8代目『スカイライン』(R32型)が登場、それを追って同年8月に発売となったのが、BNR32型『スカイラインGT-R』。2代目(KPGC110型)が生産終了して以来、実に16年振りのGT-Rの復活だった。

日産 スカイライン GT−R・BNR32型 当時のカタログ日産 スカイライン GT−R・BNR32型 当時のカタログ

「生まれながらにして伝説的な存在となることを運命づけられたクルマである。そのたぐいまれな才能は時代を超越し輝きつづけるに違いない。人々の熱い夢を全身に集めながら」……引用すると少し長いが、カタログのトップページにそう記されてから14ページはずっと写真のみの構成だった。

日産 スカイライン GT−R・BNR32型 当時のカタログ日産 スカイライン GT−R・BNR32型 当時のカタログ

さらにページが進むと、ここからメカニズムの解説へ。まずはパワーユニットで、当時のグループAををターゲットに開発されたRB26DETT型・直列6気筒・2568cc・ツインカム24バルブエンジンについて紹介されている。

日産 スカイライン GT−R・BNR32型 当時のカタログ日産 スカイライン GT−R・BNR32型 当時のカタログ

小見出しで取り上げられているのは、ツインターボチャージャー、大型空冷インタークーラー、6連スロットルチャンバー、プレス型ストレートマフラー、ナトリウム封入中空エキゾーストバルブ、直動式軽量インナーシム型バルブリフター、シリンダーブロック剛性強化、ステンレス鋳鋼エキゾーストマニホールドの8項目。

日産 スカイライン GT−R・BNR32型 当時のカタログ日産 スカイライン GT−R・BNR32型 当時のカタログ

“最速”と謳うシャシーでは、フロントとリヤのマルチリンクサスペンション機構と特性の紹介、2段絞りバルブを用いたショックアブソーバーの話も。さらにこのGT-Rで採用された4輪操舵の進化版、SUPER HICASについても文面と図で紹介している。

日産 スカイライン GT−R・BNR32型 当時のカタログ日産 スカイライン GT−R・BNR32型 当時のカタログ

また4WDシステムのATTESA E-TSも同様に、文面と図版によりシステムの概要を紹介。そのほか、“サーキットの制動力をそのまま移植した”としているアルミキャリパーを用いたフロント対向4ピストン、リヤ対向2ピストンのブレーキシステム、約11kgの軽量化に貢献したボンネット、フロントフェンダーのアルミ化、グループAカーをモチーフとしたモノフォルムバケットシートなどにも触れている。

日産 スカイライン GT−R・BNR32型 当時のカタログ日産 スカイライン GT−R・BNR32型 当時のカタログ

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. HKS、スバル・トヨタ車向け限定ステアリングの受注期間を大幅延長 2026年1月まで
  2. マツダの新型SUV『EZ-60』、すでに予約は4万台超! 南京工場から出荷開始
  3. ホンダ『フリード』がニューレトロに!? ダムドが専用ボディキットのデザインを先行公開 発売は2025年冬
  4. VW『カリフォルニア ビーチ』新型、第3世代のキャンピングカーを欧州発売
  5. 「ほぼ未使用」のスーパーカー20台、匿名バイヤーに一括売却へ その総額は…
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る