鉱山の坑道でバイク走行イベント、過疎地域を活性化 11月1~3日に開催

冒険気分を盛り上げる坑道内の走行
冒険気分を盛り上げる坑道内の走行全 5 枚

兵庫県北部の養父市・朝来市に点在する日本遺産「鉱石の道」で開催される、鉱山坑道をバイクで走行できるツーリングイベント「最高フォトツーリングラリー in 鉱石の道」が注目を集めている。2025年は11月1日から3日に開催予定だ。

【画像全5枚】

交通不便な山間部に位置するこの地域には、かつて日本の近代化を支えた歴史的な史跡群があるものの、観光客の誘致に長年苦戦していた。この課題解決のため、鉱石の道推進協議会が企画運営をマインズに委託し、昨2024年に「鉱山の坑道をバイクで走行できる」ラリーを開催し、大きな反響を呼んだ。

「鉱石の道」は、明治維新後、日本初の官営鉱山となった生野鉱山(1973年閉山)、続いて官営となった神子畑鉱山(1987年操業終了)、明延鉱山(1987年閉山)、中瀬鉱山(1969年に採掘部門廃止)からなるエリアで、西洋の進んだ鉱山技術を導入するためフランス人技師を招聘し、近代化の模範鉱山として日本の近代化を牽引した。

各鉱山は山の中にあって公共交通機関が少なく、観光地としては巡りにくい。いっぽうでライダーから見れば魅力あるワインディングや林道が数多くあり、ツーリングポイントとしては定番と言える。

ここを舞台に、自分だけの最高の景色を探し、バイクツーリングを楽しみ、夜はライダーたちの交流会、さらに、明延鉱山の坑道内にバイクが乗り入れできる「日本遺産『鉱石の道』を巡る!最高フォトツーリングラリーin鉱石の道」が企画された。参加者は史跡を巡りながら「最高!」と感じた写真をSNSに投稿する。

2025年は参加規模を倍増し、200台のバイクで開催予定だ。参加希望者はイベント公式サイトから応募する。申し込み締め切りは10月15日。参加費用は3000円/台(消費税別)。

昨年の開催では全国22府県から120台が参加し、大きな経済効果をもたらした。参加者は買い物や食事のため広範囲に立ち寄り、1台あたり1万6000円の消費があった。イベント後の交流会(BBQパーティ)が地域での宿泊を促し、参加者の80%以上が宿泊した。

運営面では、従来の地域イベントが住民や自治体職員に大きな負担をかけていたのに対し、わずか5名の運営スタッフで実施され、費用も約75万円と抑えられた。経済効果を考慮すると、費用対効果が非常に高い持続可能なモデルであることが実証された。


《高木啓》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデスベンツ『GLC』新型、インテリア先行公開…史上最大39.1インチディスプレイ採用
  2. マツダの新型SUV『EZ-60』すでに4万台の予約殺到! SNSでは「マツダ復権か??」「日本でも売るべき」など話題に
  3. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  4. ホンダ『フリード』がニューレトロに!? ダムドが専用ボディキットのデザインを先行公開 発売は2025年冬
  5. ホンダの社員食堂、白いユニフォームでカレーうどんを金曜日に食べる理由
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る