メルセデスベンツは9月9日、自社の高速充電ネットワークに次世代の高出力充電インフラを導入すると発表した。
2026年から、欧州の高出力充電市場をリードするアルピトロニック社製のHYC1000充電システムを、欧州と北米の新しいメルセデスベンツ充電パークに設置する。
従来の高速充電ステーションとは異なり、新しいHYC1000システムはモジュラー式の分散型アーキテクチャを採用している。外部電源ユニットが最大1000kW、800アンペアの電力を供給し、スマートな負荷管理により複数の充電ポイントに電力を分散配信する。この柔軟性により、充電ハブを特定のサイト要件に合わせて調整できる。
単一の充電ポイントでは、800ボルトで最大600kWの出力が可能だ。これにより、メルセデスベンツ『CLA』の場合、わずか10分間で325kmの航続距離を充電できる。
メルセデスベンツとアルピトロニックは、標準的な600kW充電ポイントの統合に加えて、専用の高性能高速充電器も開発している。最近の『コンセプトAMG GT XX』で達成した1メガワット以上の充電出力のベンチマーク結果が、この開発に直接活用されている。
メルセデスベンツの充電ハブは全ての車両ブランドの顧客に開放されているが、メルセデスベンツの顧客は車両とMB.CHARGE Publicサービスの連携により、独占的な特典を享受できる。
メルセデスベンツ充電ネットワークは着実に成長しており、現在約80の充電ハブが稼働中で、そのうち41カ所が米国にある。同社は2020年代末までに世界で1万カ所以上の高速充電ポイントを設置する計画だ。