国内最大級のデジタル総合展示会「CEATEC 2025」の報道関係者説明会が開催され、主催者である一般社団法人電子情報技術産業協会から今年の開催概要と注目ポイントが発表された。
会期は10月14日から17日の4日間、会場は千葉・幕張メッセ。昨2024年と同規模の約800社・団体が出展し、AI関連ソリューションや次世代モビリティ、スタートアップ企業による新事業などが一堂に会する。
◆25年の歴史、来場者数は11万人超え
CEATECは2000年にスタートし、昨年に25周年を迎えた。主催者によると、2024年の出展者数は808社・団体と過去最高水準となり、来場者数も11万2000人とコロナ禍前の水準に回復。「日本のあらゆる産業が集う総合展示会として定着してきた」と総括する。特にモビリティ産業からの参加が増加し、自動車関連技術の展示が注目を集めた。
来場者の平均滞在時間は4時間以上、6時間以上滞在する人も6割を超えるという。出展者との対話や技術説明に時間をかける来場者が増えており、「単なる展示会ではなく、競争(共創)の場としての価値が高まっている」。
◆3つの「パーク」でAI・協創・次世代事業を体感
2025年は、幕張メッセのホール1~6を使用し昨年同様の規模で開催。展示会の目玉として、3つのテーマ展示「パーク」が用意される。
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AXパーク(AI Transformation)
AI関連の技術・ソリューションを集中的に展示。研究機関やスタートアップも参加し、特設ステージでは産業応用事例の講演も行われる。今年の最大のトピックの一つと位置づけられている。 -
パートナーズ&グローバルパーク
国内外の企業・団体が共同で出展し、社会課題解決に向けたソリューションを紹介するエリア。スマートホームや海洋DXなど、生活・社会インフラに直結するテーマが並ぶ。 -
ネクストジェネレーションパーク
スタートアップや大学研究室に加え、大手企業の新規事業部門も参加。専用ステージでのピッチやマッチング機会を設け、実際のビジネス連携につなげる狙いがある。
◆180超のカンファレンス、初日はAIとサステナビリティ
会期中は国際会議場を中心に、180を超えるセッションが開催される。初日の基調講演では「AIエージェント産業革命と日本のポテンシャル」をテーマに、ソフトバンク子会社のAI関連企業の代表やアニメ制作プロデューサーらが登壇し、生成AIの産業応用やコンテンツ制作への活用について議論する。
さらに「サステナブル社会の実現に向けて」をテーマに、本田技研工業の代表執行役社長 三部敏宏氏やライドシェアリング事業を行うnewmoのCOO兼共同創業者である野地春菜 氏が登壇。モビリティ業界にとっても見逃せないプログラムとなる。
2日目以降は5G・6G、データスペース、スマートホーム、海洋DXなどのテーマセッション、3日目はダイバーシティやグリーンイノベーション、最終日には大阪府・吉村知事による「万博レガシー」講演が予定される。
◆10月7日には「CEATEC AWARD 2025」の発表も
開催に先立ち、10月7日には東京シティ竹芝で記者会見を実施。出展企業・団体数の最終発表や「CEATEC AWARD 2025」の各部門賞もここで公表される。さらに一部の受賞企業は、CEATEC開幕前に先行展示を実施も行われる。
CEATECは近年、IT・エレクトロニクス業界にとどまらず、自動車、建設、海洋、エネルギーなど多様な産業を巻き込む場へと進化している。特にモビリティ関連技術の展示や講演は年々存在感を増しており、自動車業界にとっても技術動向や他産業との連携のヒントを得られる絶好の機会となりそうだ。