VW、自信を取り戻した欧州の巨人…IAAモビリティ2025

フォルクスワーゲン、IAA 2025
フォルクスワーゲン、IAA 2025全 7 枚

9月8~14日にドイツ・ミュンヘンで開催されたIAAモビリティ2025では、ドイツメーカー3社が揃って主力車種のEVを発表して反転攻勢に出た。


その中でも欧州でマーケットシェア27%を持つフォルクスワーゲン(VW)グループは、「エレクトリック・アーバン・カー・ファミリー」を発表。さらに自社製バッテリーの量産開始や、エネルギーインフラを手がける子会社Elli(エリー)のV2Hシステムの提供など、デジタル時代の垂直統合によるバリューチェーンを実現しつつある。

◆自社製バッテリーを初搭載

前CEOのヘルベルト・ディース時代にEVに大きく舵を切ったVW(VW)は、2030年までに欧州内に6か所、合計240GWhの車載バッテリー工場を建設すると大々的に発表したが、その計画を修正しつつ、現在はドイツのザルツギッター、スペインのバレンシア近郊、カナダのセント・トマス(オンタリオ州)の3か所でバッテリー生産工場を建設している。

このうち、ザルツギッターは2025年末から稼働を開始し、2026年に発売されるクプラ『ラヴァル』(Raval)、VW『ID.クロス』と『ID.ポロ』、シュコダ『エピック』(Epiq)に自社製バッテリーを供給する。2026年にはバレンシアの工場が、2027年にはカナダ工場が稼働を開始する。

ユニファイドセル(Unified Cell)と称されるこのバッテリーはセルパワーが660Wh/Lと現行のNCM(三元系)バッテリーでは最高レベルの性能を持ち、想定40~55 kWhのバッテリー容量で最大450kmの航続を可能にする。価格は ID.ポロが2万5000ユーロを切るところからスタートする予定。スモールEVとしては、既にルノー『4』や同『5』、ステランティスグループのフィアット『600e』や『グランデパンダ』、『シトロエンe-C3』などが発売されているが、マーケットリーダーのVWグループの小型EVが手頃な価格で出ることへの期待は高いと現地で感じられた。

この他にも、オペル『コルサ』やフォード『プーマ』のEVモデルや、ヒョンデ『アイオニック3』、キア『EV2』なども今回発表され、EVやデジタルテクノロジーに関心の高い若者だけでなく幅広い購買層に注目されていた(今回怒涛のように出展してきた中国メーカーのEVは中型のSUVが中心で、小型で安価なモデルは、BYD『ドルフィン』やステランティスが出資するリープモーター『T03』あたりだ。)


《丸田靖生》

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