クルマ愛、バイク愛にもスポットを……。日本自動車工業会(自工会)が主催する「ジャパンモビリティショー2025」が、10月30日に臨海新都心の東京ビッグサイトで開幕する。自工会は9月18日に記者会見を実施し、各社がそれぞれ抱負と展示内容を語った。
【画像】22枚、ジャパンモビリティショー2023、2024、2025
◆“愛”に焦点、過去・現在の展示も注力
自工会会長の片山正則氏(いすゞ自動車会長)は「不確実な時代だからこそ、未来への希望を皆さまにお届けしたい」と強調。クルマやバイクを愛するファンにも焦点を当て、幅広い来場者が楽しめる内容を準備していると語った。
副会長の三部敏宏氏(ホンダ社長)は「ジャパンモビリティショーは社会課題の解決や新しい価値創造を目指す共創プラットフォーム」と説明。「FUTURE」「CULTURE」「CREATION」の3本柱を掲げ、「2023年ショーで好評だった未来の展示体験に加えて、過去・現在の展示体験へも注力する」と言う。出展者数は過去最高となる国内外480社以上が出展予定だとした。

[見どころ先取り]ジャパンモビリティショー2025、ワクワクする企画を先行公開
https://response.jp/article/2025/09/13/400900.html
◆ジャパンモビリティショー2025、各社の狙い
ホンダは「夢」をテーマに、陸・海・空へ広がるモビリティを提案。小型ビジネスジェット、ホンダジェット『Elite II』の実物大モックアップも展示する。
スズキの鈴木俊宏社長は、モーターショー~モビリティショーを「常にその時代への挑戦を形にする大事なステージ」と位置付ける。自工会軽自動車委員会では、「軽トラ市inジャパンモビリティショー2025」を展開する計画を明らかにした。
トヨタの佐藤恒治社長は、リアルな展示に力を入れる考えを示した。「2023年にいただいた声で一番大きかったのは、クルマそのものの魅力にもっと触れたいという声」だったと言う。
日産のイヴァン・エスピノーサCEOは「訪れる一人ひとりが異なるライフステージにいる。各社のブースを回れば、それぞれの未来が見える」と述べた。
ヤマハ発動機の設楽元文社長は、国内二輪4社合同企画で原付新区分に対応した展示を行ない、「国民生活に密着したこの領域」の活性化に努めるとする。ヤマハの展示では、二輪文化の原点であるレースにも注力すると発表。「野球やサッカーの観客動員が増えているように、リアルの世界の重要性を認識している」と語った。また、人間研究に基づくプロトモデルや音楽分野とのコラボレーションも予定している。

日野自動車、電動トラック中心に5モデル初公開へ…ジャパンモビリティショー2025
https://response.jp/article/2025/09/18/401098.html
ホンダ、「陸・海・空」の幅広いモビリティ出展へ…ジャパンモビリティショー2025
https://response.jp/article/2025/08/28/400174.html
◆ジャパンモビリティショーはこれからどうなる?
自工会専務理事の松永明氏は「ジャパンモビリティショーは、各社が自社製品を展示するだけのイベントではなく、日本の自動車産業全体が『One Team』で未来に向かう姿を示す場」と強調。GXやDXを含む多様な技術が集結すると述べた。
片山会長は「2年前に蒔いた種が、今回芽を出し始めている」とし、将来のジャパンモビリティショーがどうなるか「正直、現時点で具体的な答えは持ち合わせていない」ものの、賛同者が増え続けている現状を示した。モビリティショーは今後も多様な要素を取り込みながら進化し、日本の産業と社会の未来を活性化する契機となることを期待している。